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研究や病気予防の啓発のために|目黒寄生虫館

行ってきましたよ。奥さん。
目黒寄生虫館!

名前の通り、目黒区下目黒にある。

目黒駅から徒歩12分。
一見、見落としてしまいそうなビルの1つが目黒寄生虫館である。

ここは、寄生虫学の世界的権威として知られる医学博士だった亀谷了が、満州の衛生研究所で寄生虫病の研究に従事した後、内科医として目黒で診療所を構えた。その間も寄生虫の研究や病気予防の啓発への熱意を抱き続け、1953年に私財を投じて設立した寄生虫専門の個人博物館。(※現在は公益財団法人) 

約6万点の標本を所蔵しており、館内には国内外から集められた約300点の標本及び関連資料を展示している。

尚、「教育や啓発にお金をいただいてはいけない」という初代館長の思想を守って見学は無料。
運営資金は運営する財団の資産運用益、館内で販売しているグッズ、寄付金が充てられている。

2022年には、世界の感染症対策に取り組んでいるビル・ゲイツが訪れたことでも話題になった。

※2月12日 16:45まで全文お読みいただけます。

ちなみに、このサナダムシ。
由来は真田紐に似てるから。

これが真田紐。

この紐のように、長い身体は細かく長方形の節に分かれている。
まるで宮崎駿の映画に出てくる虫のようだ。

もしかしたら、ダンゴムシといいムカデといい、節に分かれた身体を持つ虫は結構いる。
そして、展示されている寄生虫も、割とこのタイプが多い。
みんな同じあたりから進化したのだろうか?

ちなみに、ここに展示されているサナダムシは全長8.8m。もっと長く成長したものもあるらしいが、標本としてほぼ完全な形で残っていているものとしては貴重なものらしい。

現在も、サナダムシが身体にいる人は存在するが、駆虫薬を飲むとバラバラになってしまうとか。

この8.8mのサナダムシを宿していた男性は、特に自覚症状もなく、出てきて初めて気がついたとか。
サナダムシダイエットとか聞いたことがあるから、基本的には栄養を取られるだけで、特に害はないんだろうなぁ。

と、思ったら違った。害はあるらしい。

とにかく、中は寄生虫、寄生虫、寄生虫!
期待を裏切らない。
しかし、想像してしまうような気持ち悪さはない。

むしろ、その不思議な生態に、ついキャプションボードを読みふけってしまう。

私が特に面白かったのは、まず、タイノエ。

大きい方がメス、小さい方がオスである。

マダイに寄生するらしいが、雄雌がペアでマダイが小さい時に寄生するらしい。

雄雌がペアになって、新居に……ってマダイに寄生するところを想像すると、ちょっと面白い。

それ以上に面白いのが、この目黒寄生虫館のアイコンにもなっているフタゴムシだ。


蝶のようだが、じつは2体が合体した姿。

極限まで拡大してみた。

何でも、幼生の時に合体するそうで。
それって、雌雄もよくわからないまま合体するワケ? 運良く異性が小さい時にいるとは限らないのに? と思ったら。

フタゴムシは雌雄同体の単生類。
アンドロギュヌスってヤツか。
で、その雌雄同体の2匹がお互いの生殖器を結合して精子を交換し、卵を産み、一生離れないらしい。

むしろ、合体できなければ成長も性成熟もしないらしい……って、何のための単生類?!

目黒寄生虫館の創設者である亀谷了のお気に入りの寄生虫で、このフタゴムシ研究がライフワークだったとか。
わかるわー。
何だか謎だらけだわー。

他にも、寄生虫と病気の関係とか、興味深い内容がいっぱいありました。
ウイルスとか細菌の話もあったんだよなー。蚊やハエを媒介して……みたいな。
前に読んだ『感染症の世界史』で

蚊の話は読んだけど、ハエが媒介はよくわからないんだよな。
また、ハエがどう媒介するのか知りたい。

最後に私がお土産に買ったのはコレ!

これと、パンフレットを買いました。
目黒寄生虫館グッズはオンラインでも買えます。

もっとグロテスクなもの見た!という感想になるかと思ってましたが、想像以上に好奇心を刺激される楽しい場所でした。

また行きたいし、関連書籍も読んでみたいです。

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