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散歩道のひとこま “花ざかりの森”


桜も早々に葉桜になりつつあって。

今年の桜は短かったなぁ、と思って周りを見れば、あちこちで色々な花が咲いていた。

リナリアと芝桜(多分)

特に躑躅はまもなく満開になりそう。

躑躅が咲くと、いつも三島由紀夫の『花ざかりの森』を思い出す。

高校生くらいの時にタイトルにひかれて読んだ本である。
が、実はもうタイトルしか思い出せない。

ジャケを見てわかる通り、私が読んだ本も『憂国』が一緒に収録されており、そっちの方がよく覚えている。というか、読みやすかった。

改めて、『花ざかりの森』のあらすじを探してみたが

『花ざかりの森』(はなざかりのもり)は、三島由紀夫の短編小説(中編小説とみなされることもある)。全5章から成る。三島が16歳の時に執筆した作品で、校外の全国同人誌に掲載され、公に出版された初めての小説である。話者である「わたし」の祖先をめぐる4つの挿話から成り、一貫したストーリーというものはなく、祖先への強い憧れとアンニュイな雰囲気が漂う追憶と観念的な挿話が断片的に織りなされている詩的な作品である。最後の文章は澄んだ「静謐」を描いていて、三島の遺作『豊饒の海』のラストを思わせるような終り方となっている。

Wikipedia『花ざかりの森』

……うーん、こんな話だったか。

これを読んでも「そうそう、こんな話だった!」とすらならない。

読みづらかった印象はある。一貫したストーリーはない、って説明もあるから、本当に何も掴めないまま読み終わったんだろう。

ただ、本屋の一角で、『花ざかりの森』を手に取った時は覚えている。
そのタイトルを見て、頭に満開の躑躅が浮かんだのだ。

どんな話なのだろう、と読んで、意味がわからなくて挫折し、何度かそれを繰り返した後にようやく読み終わった。

そして、その後に収録されていた『憂国』の何と読みやすいことか。

という訳で、躑躅が咲くと『花ざかりの森』のタイトルだけを思い出す。

三島由紀夫の作品は他にも少し読んだが、1番思い出すのは、このタイトルしか思い出せない作品だ。

残念な気もするが、それだけでも充分かもしれない。

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