教員不足により生じた新たな業務負担に対する金銭補償を求める請願

 教員不足により人件費は浮いているはずなのに、いない教員の分まで働いている教員には何の補償もされていません。そんな不条理を訴えるため、IRISでは次のような請願を愛知県教育委員会に提出します。請願は教育委員会の定例会で審査され、採択されるかどうか決まります。


1 請願の趣旨
 学級や教科を担当する教員が不足している問題、いわゆる「教育に穴が開く問題」は、今なお解決の目処が立っていません。地域によって差があるものの、本県においても、校種を問わず、全県的に問題が深刻化しています。
 県教委や市町村教委においても、人材確保のための各種対策を講じていることは承知していますが、それでも確保できなかった教員分の仕事は、現場の教員で何とかやりくりをしています。例えば、教務主任等が急遽学級担任を務めたり、数学の教員が技術家庭科の授業を行ったりして、綱渡り的な学校運営が行われています。
 こうした中、不足分の教員の業務を行っている教員の間では、「浮いた分の人件費はどうなっているのか」「余分に仕事をしている教員の給料を上乗せすべきではないか」といった声も聞かれます。そのような声が公の場で報告されることはあまりないと思いますので、県内の公立小学校で働く者として、まず報告させていただきたいと思います。
 その上で、こうした声に応え、通常業務以上に業務を担当している教員に対し、金銭面で何らかの上乗せをしていただくことを求めます。教員個人への支給が難しい場合は、せめて当該校の職員全体の労働安全衛生や福利厚生に充てる予算を増額していただけないでしょうか。教員不足の問題は今や世間が知るところとなりましたので、市民・県民の理解も得られやすいと思います。
 財政難を理由に、教員の給与の引き下げがかつて行われました。私たちはそのことを決して忘れません。これが許されるのであれば、人員不足により財政に余裕が生じた場合、その分を教員に還元することもまた認められなければ納得できません。
 学校に人が集まらない原因の一つは、教育行政が子ども・保護者・世間ばかりに目を向け、そこで働く教員の福祉向上にあまり関心を払ってこなかったことがSNS等で知れ渡ったことにあります。この請願に対する教育委員の皆様方の発言や決定も、教員不足が解決に向かうのか、一層深刻化していくのか、一つのきっかけになると思います。
 教育に開いた穴をふさぎ、教員も、子どもたちもともに笑顔になれる教育現場を取り戻すために、請願内容を認めていただきますようお願いいたします。

2 請願項目
 本来配置されるべき人数の教員が配置されない等の理由で、通常の業務以上に業務を行わなければならない教員個人または当該校の職員全体に対し、名目の如何を問わず、金銭的な補償を行うことを求めます。

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