IRIS川崎の結成に向けて Formation of IRIS Kawasaki

 川崎市教委が川崎市の教員に対して行ってきた不当な処分は、川崎市の教員のみならず、全国の教職員に対する攻撃です。川崎市の処分が他の自治体に波及し、全国の教職員に被害が及ぶ可能性もあります。
 IRISでは、川崎市教委が不当な処分を今後行わず、教職員が安心して働けるような学校づくりを目指す組織に生まれ変われるようにするため、教職員組合「IRIS川崎」の結成を川崎市および全国の教職員に呼びかけます。

1 川崎市教委による不当な処分
 報道されている範囲ではありますが、昨年から今年にかけて、川崎市では教員に対する不当な処分が3件ありました(厳密に言えば1件目は処分ではありませんが、処分に類するものとして取り上げます)。
 1件目は小学校のプール溢水に伴う損害賠償請求事件です。これはかなり報道されましたので詳しい説明は不要でしょう。一言だけ論評しておくと、杜撰なマニュアルしか整備してこなかった市教委自身の責任を棚に上げ、故意や重過失でもないのに現場教員に損害賠償を求めるというとんでもない事案です。この問題については、市古次郎市議が厳しく当局を追及していますので、Xでの投稿を一度ご覧ください。
 2件目は、出張に自家用車を使用し、旅費を不正に受給したとして136名に対し懲戒処分などを行った事案です。昨年度まで、川崎市の学校では原則として出張時に自家用車の使用が認められておらず(神奈川県内の他の自治体では認められていた)、川崎市の教員は著しく不便を蒙っていたのですが、実務上の必要性から教員が自家用車を使用して出張に出たところ、不正と断罪されてしまいました。その一方、今年度からは自家用車の使用を認めると市教委は姿勢を一変させました。
 もし不正と断罪するのなら、制度をこんなにも簡単に改めていいのでしょうか。逆に、制度を簡単に改めるのであれば、教員を処分するのではなく、自分たちの制度設計に問題があったと認めるべきでしょう。少なくとも、不正という言葉を使用すべきではありませんでした。
 そして3件目は、特別休暇中の出勤を不正と認定し、給与の返納を求めたという事案です。26名が該当するようですが、大きく報道されたのは、川崎市人事委員会に措置要求を行った女性教員の事案です。管理職の了承を得た上で、生徒のためにと、3日間にわたって短時間出勤したところ、約28万円の返納を求められました。出勤すべきなのに出勤しなかったのならともかく、出勤したから給与(しかも1ヶ月分に相当するような額)を返せとは、川崎市教委と川崎市長以外、全人類の誰からも賛同は得られないでしょう。

2 川崎市教委を変える方法
 川崎市には、いくつかの教職員組合と、組合ではない「教職員連絡会」があります。報道によると、前項であげた1件目と3件目では川崎市教職員連絡会が支援などを行っているようです。
 IRISは、基本的には他組合等の方針を批判しないことにしていますが、今回は、教職員連絡会の組織形態に関して一言申し上げたいと思います。
 当局としっかり向き合うには、教職員組合であることが大前提だとIRISでは考えています。組合(地方公務員法に基づく登録職員団体)であれば、当局には交渉のテーブルにつく義務があります。また、当局からの攻撃等があった場合でも、法的な保護を受けることができます。
 なぜ組合ではなく連絡会なのか、そこに歴史的経緯が絡んでいることは聞き及んでいますが、今こそ、組合を結成して川崎市教委と正面から向き合うべき時ではないでしょうか。 
 川崎市内の教員の中にも、組合を結成して、川崎市教委にどんどん物を言っていきたいと考えている方がいると思います。また、そういう先生方を支援したいという方が全国にはたくさんいます。川崎市の先生方と支援者とをつなぎ、全国的な力で川崎市教委を変えるべく、IRISは、教職員組合「IRIS川崎」への結集を川崎市と全国の先生方に呼びかけます。

3 IRIS川崎の組織形態
 地方公務員法の定めにより、川崎市人事委員会に登録された職員団体になるためには、川崎市立学校に勤務する教職員が組合員でなければなりません。その人数は最低3名です。法令上、組合の二重加入は禁止されていませんので、川崎市内の別組合に所属されていてもIRIS川崎に加入していただくことは可能です(ただし所属先の組合の内規等で二重加入が禁止されている場合がありますので、その点は確認が必要です)。
 一方、役員については、川崎市立学校の教職員でなければならないという制限はありません。したがって、理論上は、全国どこの方でも役員になっていただくことができます。ただし、組合というのは基本的に当局と交渉をするために結成されるものですので、交渉に参加するつもりもないのにただ役員に名を連ねるだけというのは避けるべきだと考えます。川崎周辺の自治体の方や、遠隔地であっても、川崎を訪れて交渉に参加する強い意志のある方に限り、役員になるべきだと考えます。
 ただ、いろいろな意味でのサポーターになっていただくのは大歓迎です。組合員でも役員でもないが、川崎市教委の屁理屈を撃退するための論法を考えたいとか、こんなデータがありますとか、各種支援の申し出は積極的に受け付けたいと思います。
 なお、IRIS系組合についてはこちらに詳しい説明が載っていますので、加入や支援を具体的にお考えの方はお読みください。

 お申し込み・問い合わせなどはIRISのXアカウントにDMでお願いします。

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