本人の意思に反して教職員の異動等に関する情報を新聞に掲載しないことを求める請願

 年度末になると、教職員の異動等に関する情報が新聞に掲載されます。当組合の組合員の中には、勝手に名前を載せないでほしいと県教委に申し出た人がいましたが、特段の事情がない限り掲載は断れないという対応でした。しかし小中学校の教職員の中には掲載を断れた人がいるなど、対応にちぐはぐな点があり、改めて県教委の見解を問うために請願を提出することにしました。

1 請願の趣旨
 毎年度末、愛知県立学校及び県内の市町村立学校の教職員の異動や退職に関する情報が新聞に掲載される。2020年3月、当組合の組合員(当時は組合が結成されていなかったため、県立高校の教職員という立場)が愛知県教育委員会教職員課県立学校人事グループに対し、氏名の新聞掲載をやめるよう求めたところ、所属校の校長を通じ、「県立学校の場合は、職務遂行情報として掲載しています。氏名以外の個人情報を掲載しているわけではないので、プライバシーの侵害には該当しないと考えています。氏名を載せることで危険や危害が加えられるケースでないかぎり、氏名を掲載しないというような対応はしていません。」との回答を得た。
 一方、小中学校教員の場合、特段危険や危害が加えられるケースでないにもかかわらず、本人からの申し出によって氏名が新聞に掲載されなかった例があることを当組合では把握している。尾張地方の複数の小中学校で、校長から、新聞に氏名の掲載を希望しない人は申し出るようにと打ち合わせ等の場で言われ、実際に申し出て、氏名が掲載されなかったとの証言を得ている。
 他方、県立高校の職員の場合でも、愛知県教育振興会が発行している「愛知県教育関係職員録」への氏名掲載は任意であり、当組合の組合員でも、校長への申し出により氏名が掲載されなかった者がいる。
 氏名の新聞掲載という同一の事柄をめぐり、県立学校と市町村立学校との間で正反対の対応がとられるのは、同一の任命権者をもつ教職員の扱いにおいて著しく均衡を欠くものであり納得できない。また、他校の教職員への問い合わせなど、年間を通じ教職員間で職務遂行のために用いられることも多い愛知県教育関係職員録への氏名掲載が任意である一方、年度末の限られた時期に、主に一般市民が、教職員の異動や退職の情報を知るために利用することが多いと思われる新聞への氏名掲載がほぼ強制に近いこともまた、対応に一貫性がなく、「職務遂行情報として掲載している」との県立学校人事グループの回答とも矛盾するように思われる。
 新聞に氏名を掲載され、不特定多数の人々に閲覧されること自体、気持ちの良いものではない。また、投資の勧誘など、迷惑電話が職場にかかってくるリスクも高まる。こうしたことから、新聞に氏名を掲載するかどうかについて本人の意思を確認し、希望しない場合は掲載を断れるようにしていただきたい。

2 請願項目
 本人が希望しない場合、県立学校及び市町村立学校の教職員の異動や退職に関する情報を新聞社に情報提供しないことを求める。

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