さようなら、10代目ドクター
たった今、｢ドクター・フー スペシャル 時の終わり｣を観終えて、10代目ドクターの最期を文字にしたくて堪らないのでここに記します。
私たちは あなたに歌を
宇宙はあなたの眠りに
歌を捧げる
この歌は終わりに近い
だが物語は永遠に続く by. ウード
マスターのお食事
復活したハロルド・サクソンa.k.a.マスターは随分とお腹を空かせているようです。ハンバーガーを食べている、いや貪っている姿は汚らしいを通り越して笑いが込み上げてきます。
そしてジョシュア・ネイスミスに誘拐され出されたクリスマスの七面鳥のような大きいチキンを骨の髄まで鷲掴みで貪っています。
ちなみにこのジョシュア・ネイスミス役の俳優をどこかで見たことがあると思いIMDbで調べたところ、DCドラマのスーパーガールやアローやフラッシュに出演していた俳優でした。
マスターとドクター
地球の全人類をマスターに変えたマスター。
ミニオンズやアディポーズのときも思いましたが、よく見ると個々で服装や動きが違うので撮影や編集が大変そうだなと思いました。手を振っていたり、ピースしていたり何度観ても可愛くて飽きず面白いです。
マスターとドクターは旧友でした。ドクターは彼のことを運命共同体だと言いました。マスターの話によるとマスターの父親の赤い草の牧草地で2人で山の斜面に寝ころんだり、いつも一緒に遊んで、空に向かって叫んだという微笑ましい思い出もあったようです。マスターが昔を懐かしみ思い出話をしている時、穏やかで優しい顔をしていました。ドクターがマスターに一緒に解決しよう、一緒に旅しようと誘っているとき、マスターの瞳は揺れていました。彼は根からの悪役や異常者ではなくて、ただ助けを求めている人間のようです。
前回(S3E13)でもサクソン夫人に撃たれたマスターを胸に抱くドクターは、マスターのことを悪役でもなく、同じタイムロードの生き残りでもなく、ただ親友の死を悼んでいるように見えました。ときに厳しいこともできるドクターですが、それでも銃の引き金は引きませんでした。
そこをどけと言ったドクターの言葉を瞬時に理解して一瞬にやりとしたマスターとのチームプレーは素晴らしかったです。
ボルテックスを覗いたマスターと立ち去ったドクター。そこで親友だった2人の運命が分かれました。
ボルテックスを覗いたマスターはそれ以来、頭の中で4つリズムのドラムの音が聞こえてくるようになりました。そのドラムは段々と近づいてきます。
リズムはシンプルで頭に残りやすくて好きです。マスターが登場するシーンの挿入曲の音楽もこのリズムを基にした曲が多くて胸が熱くなりました。
タイムロードの復活
タイムロードによるとドラムの音は兵士が行進するときの音。
ドクターによるとタイムロードはタイムウォーによってダーレクと共に滅びたと言っていましたが、実は変わってしまったタイムロードを止めるためにドクター自身の手でギャリフレイ(ガリフレイ)ごとタイムロックを施しました。素晴らしい仲間だったと、そう記憶に残していたかったみたいです。
タイムロードは劇中で人気回であった「まばたきをするな(S3E10)」の回(ゲームアプリにもなりました)に出てくる忍び泣く天使についても触れられています。恥さらしは忍び泣く天使と同じ目に遭うと言っています。
私の予想では忍び泣く天使はかつて罰せられたタイムロードだったのかなと考えています。まだまだ謎が深まるばかりですね。
ウィルフレッドに忠告していた謎の女性がいました。タイムロードの女性が忍び泣く天使のようなポーズをとっています。女性は覆っていた手を外し、ドクターとアイコンタクトをとります。ウィルフレッドに忠告していた女性でした。彼女は何者だったのでしょうか。私の予想ではドクターの母親かなと思っています。
ウィルフレッドとドクター
ウィルフレッドとドクターは種族や年齢を超えて父と息子のような関係でした。ドクターはウィルフレッドのことを慕っていて、ウィルフレッドはドクターを気にかけています。ドクターは906歳で、ウィルフレッドよりも年齢が高いですが、ドクターはウィルフレッドのことを僕の誇りだ、あなたが父だったら…と言っていました。
4回のノックの正体
4回のノックが聞こえたらドクターは死ぬという予言がありました。そのノックはマスターの4回のリズムでもなく、タイムロードとも関係がありませんでした。
片方のルームに入りボタンを押さないと片方のルームは開かないというルームがあり、そこに閉じ込められて逃げることができない男性をウィルフレッドは助けました。その代わり、ウィルフレッドはそのルームから出られなくなりました。
4回ノックしました。Who's there? ウィルフレッドでした。
しかしボタンを押せばドクターは放射能を浴びることになります。ドクターは自分の死を察しました。
ドクターは喜んで身を捧げると言いました。
敵に負けることではなく、大切な人を助けるために自らを犠牲にした10代目ドクターらしい最期でした。
ドクターとのお別れ
もちろんドクターはタイムロードなので生まれ変わることができます。しかし外見や性格も変わるので１つの死でもあるように思えます。シリーズを通してファンもドクター自身も10代目に愛着があり気に入っているようでした。そしてドクターは死を怖いと、行きたくないと言っていました。ドクターの辛さがひしひしと伝わってきます。
初めはマーサとミッキーでした。2人は結婚しているようです。闘っていて危険なところを助けて遠くから眺めていました。
次はサラジェーンスミスとその息子に会いにいきました。息子が車に轢かれそうになるところを助けてターディスに帰っていきました。
次は異星人が集まっているバーのようなところ。スリジーンやジャドゥーンやハース(魚人間)やアディポーズもいます。そしてここにジャックがいます。トーチウッドのシーズン3の終わりで地球から去っていったあたりでしょうか。ドクターはジャックに名前が書かれた紙を渡します。バーにいるジャックが好きそうな男性の名前で、彼はタイタニックの時のアロンゾでした。アロンゾ、アロンジーと言われていた彼です。
そして人気回であった「ジョン・スミスの恋(S3E8)」に出てきた彼女の日記をその子孫(役は同じ人です、トーチウッドのグウェンが「にぎやかな死体(S1E3)」の女性の子孫であったみたいな)は本にして出版していました。ドクターはサイン会でサインをもらいます。そしてドクターは彼女は幸せだったかと聞きます。ジョン・スミスは消えてもドクターのどこかに心は残っているのでしょう。
ついにドナは結婚しました。不運な結婚式から始まり、幸せな結婚式で締められています。とても幸せそうです。ピンク色のドレスを着ている友達にあなたが桃みたいな人だからよと言っていてドナらしいと思いました。そしてウィルフレッドとドナの母はドクターとお別れをします。
2005年1月1日。最後はやっぱりローズでした。このローズはまだドクターと出会っていない頃です。今年は君にとって最高の年になると言いました。インタビューでローズ役のビリーパイパーは「これがドクターとローズの本当の最後じゃないけれど、近い将来終わりが来る」と述べています。
ウードたちもドクターに歌を捧げます。とても美しい歌です。
ドクターの再生
10代目ドクター(デイヴィッド・テナント)から11代目ドクター(マット・スミス)へバトンチェンジを果たしました。10代目ドクターが大好きだったので喪失感がものすごく大きいです。
終盤のドクターの表情や涙から、フィーヴィアンのデイヴィッドだからこそデイヴィッドの作品への思い入れの深さも伝わってきました。
デイヴィッドの友人のビリーパイパーは俳優の交代について「彼が降りるのは本当に嫌！でも次のドクターがマット・スミスだって分かってほっとした。彼のことが大好きだし、素晴らしい俳優だから。ドクター役は良い人じゃないと出来ないけど、彼はぴったり。やり遂げるには大きすぎる役だけど、彼なら大丈夫」と述べています。
11代目ドクター、また念願の赤毛になれなくて残念でした。
それから自分の身体を女性だと勘違いしていて面白かったです。
シーズン4では人気だった10代目ドクターの最終シーズンだからか、今までの登場人物は大集合していて、スペシャルも沢山あって面白かったです。タイムロードやダーレクが出てきて壮大だったり、ターディスを指を鳴らして開けたり車の鍵のように遠隔操作でロックしたりと遊び心も溢れていました。コンパニオンであったドナとドクターの間に恋愛関係がなく対等な友達のようなところが、このシーズンに陽気さを与え、面白さが増したと思います。マスターも死ぬ描写はなかったので生きていてまた出てくると信じています。
シーズン5ではどのようなドクターが見れるのでしょう。
それではアロンジー！！
心が折れそうな時ー
偉大なる力と知恵をもたらす
言葉が地球にはある
アロンジー！ by. ドクター
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