不適切な敬語

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類があります。それぞれの使い方については中学校で学び、特に二重敬語を避けることは多くの人が認識しています。ほかに見逃してしまいやすい敬語の使い方についてご紹介します。

■「ご/お……する」は誰がするのか
下記の例文があります。
「天皇陛下が国民に向けてご発言されたことを重く受け止めている。」
なんの問題もなさそうな文章ですが、ここに敬語の誤用があるのです。そもそも「ご/お……する」は謙譲語を作るときの基本形。例えば、「社長をご案内する・先生の荷物をお持ちする」などです。この通り、「ご/お……する」を用いるときの主語は「私・へりくだる側」でないといけません。
例文に戻ると、「ご発言された」のは「天皇」であるため、「ご/お……する」の形を用いるのは誤りなのです。

■尊敬語にするためには……
動詞を尊敬語にするときは、「ご/お……になる」が正しい形です。つまり、「天皇が国民に向けて『ご発言された/ご発言をされた』ことを重く受け止めている。」になります。

■尊敬語と謙譲語の形
動詞の尊敬語は「ご/お……になる」、謙譲語は「ご/お……する」が基本の形。その文章の主語が誰なのかを理解し、主語に対する正しい表現で敬語を使いましょう。

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