「新年あけまして」は正しいか

年始の挨拶でよく見られる「新年あけましておめでとうございます」というフレーズ。実はこの表現は間違いなのです。

■「明ける」=「終わる」こと
「明ける」は「夜が明ける」「梅雨明け」からわかるように、終わることを示します。このことから、年始に使う「新年あけまして……」は誤った表現であり、「旧年が明け……」などと言い換えるべきなのです。

■「明ける」=「はじまる」も問題ない⁈
明鏡国語辞典には、「明ける」について次のように書かれています。
「『夜が明ける/朝が明ける』『旧年が明ける/新年が明ける』などは、古いものと新しいものの両方を主語にとる」
つまり「明ける」という言葉は、古いものが主語の場合は現象の変化に、新しいものが主語の場合は変化の結果に使われるといいます。

■周知されている表現を使用する
「明ける」は新旧どちらの主語もとれるといいますが、やはり古いものが主語のときに使用するのが好ましいといえます。なぜなら、「夜明け」「梅雨明け」「休み明け」など「古いもの+明ける」の形の言葉が周知されているからです。
無理に「新しいもの+明ける」の表現を追うのではなく、単に言い方を変えて違和感のない表現にしましょう。

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