パニックの入り口
2月初めに再入国許可証を申請し、ありがたいことに、ギリギリかもという心配は不要で、滞ることなく受理のお知らせと指紋採取の予約日時の手紙が届きました。
すでに購入していた飛行機に間に合う日時で、ほっと一安心。
勤務地のNYでは、年末から年始にかけて「一人がかかると家族全員に必ず移る、咳と高熱の風邪」なる不穏極まりないものが流行っていて、今年はインフルエンザの猛威といい、なんか怖いねーなんて同僚と話していました。
今思えば、あの風邪ってなんだったんだろう。
でもコロナなんてまだまだ他国のことで、遠い話。
例えば。
2月に娘が元気なものの咳をしていたので、マスクを付けてアメリカの公立校に行ったときのこと。
アメリカではマスクをする人なんて皆無だけど、娘が付けていきたいというので(数日前に引き出しの中に子ども用のマスクを発見していたためと予想)付けて行ったところ、
学校のナースから「マスクをしてると病人だと思われるから付けさせないで」とわざわざ電話が入ったのでした。
ですよね、やっぱりアメリカですもの。と思いながら、意気揚々とマスク姿で登園した娘がナース室で小さくなっていたんだろうなぁと思うと、娘、どんまい、と思ったりしたものでした。
そして3月。
コロナの情報は少しずつ広まっているものの、まだアジア圏で流行っている病気、という認識で、しばらく日本に住むことを娘の先生たちに伝えると、みんなが「あんな状態の日本に帰るなんて!帰国をやめてこの学校にいればいいのよ!」と言ってくれるほどの、他人事でした。
それが、日を追うごとに、
マンハッタンで感染者が出たらしい、
車で数分の○○という街に感染者が出たらしいから、あそこのアジア系スーパーには行かないほうがいい、
とうとう隣の街で感染者が出て病院に隔離されている、
と、着実にコロナが身近なものになり、もう他の国の病気じゃないんだと思う頃には、すでにパニックの入り口でした。
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