ハズレ馬券は経費になるか?

税理士法人 入江会計事務所の北村です。

今、お笑いトリオ「インスタントジョンソン」のじゃいさんが競馬
のハズレ馬券を経費として申告したものの、それが税務署に認めて
もらえず、数千万円を追徴課税されたことを不服として国税不服審
判所に審査請求していることが話題になっています。

この追徴課税された数千万円を納付するために親類に借金したり、
自分の子供の将来のために貯めていたお金を取り崩すなどした、と
のことで何とも気の毒な話だなと感じました。

馬券などの配当金は、所得税法では原則的には一時所得とされ、配
当金収入から差引できる金額はその配当金を得るために直接支出し
た金額に限られており、ハズレ馬券は配当金から差引することはで
きません。
例外的に差し引きすることが認められた判例も過去にはありますが、
そのためには「予想ソフトなどを使い、年間を通じて継続的に馬券
を購入するなどして回収率が年間100%を超える」という要件が
あって初めて認められる、とのことなので、趣味で競馬を楽しむと
いうレベルではハズレ馬券を差し引きして確定申告することはでき
ないというのが現状です。

自分自身も競馬は好きでよく観るし、大レースの時には馬券を買う
こともあります。ハズレ馬券を経費として認めてほしいという心情
はよく理解できますが、経費と認められたケースにおいても、それ
までにはかなりの時間と労力が使われている訳で、今回のじゃいさ
んのケースも主張が認められるためにはハードルは高いだろうな、
と思います。
この後の推移を見守っていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?