さよなら陽性

これが軽症なんてとおもいながら、ようやく陰性の駅のホームに降り立った
一足先に下車した長男、無傷のままの次男と同じ目線でヒトコトフタ言交わし、乗車した妻に手をふる

「いってらっしゃい」 
まだ 笑顔を見せる余裕はあるようだ。

陰性でも体の怠さ、乾咳は収まらない
しかし 親として役目は僕に鞭を打つ
大変だが、息子たちの存在が助けてくれることが
多いこと多いこと
その一つに「楽しみを待ちわびる」彼らの姿である
学校の行事・お出かけ ・親戚の集まり
その日の朝の彼らの顔は喜びに満ち溢れてる
あまりにも僕にはこの態度が無さすぎて
生き生きしてる人間を目の前に涙が出そうになる
彼らのお陰で多少腐っても完全に腐敗しないでいられる。

明らかに三人の中で一番具合が悪いのだが
ここは頑張ろう

発症から5日目には陰性 そして9日目
自然相手の暮らしをしているので、この遅れは大きな打撃である
米は落水のタイミングで、毎日の水見は終わっていて助かった。
畑の大根、白菜のまだギリ間に合う

一番気がかりだったのは罠である。
4つほどかけていて、大切な収入源である
山を歩く体力があるか心配だが、もうこれ以上放おっておけない
夏の時期は鹿の活動が鈍り、かかりが悪くなるのでそれを願った。

罠1 (場所 奈暮)
防護柵の扉を開け徒歩で100m程 現時点でここは3頭獲っている
罠場に近づくと土の色が黄土色になっている、普段は落ち葉が堆積しその上を一本の獣道がついている。

ゆっくり近づくと、大きく土が掘り返してあり木の根が露出している
いやな予感・・・・
大きく手を二回叩く 反応なし
近くに寄るとハエとスズメバチの羽音が
もう他の事を考えるモードにさせない。

掘られた穴の中に横たわるメスのイノシシ
死後1日位だろう

イノシシはどこを食べても美味しい、サイズも丁度良いのに
無駄にしてしまった。殺虫剤でスズメバチを払って害獣駆除用の
写真を撮って山を降りた。


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