【備忘録】ATLUSに捧ぐ唯一の愛について

こんばんは、入相海です。
ATLUSにまつわる唯一の愛の話、私の過去と今まで、これからの話です。

※過去に受けた(今も乗り越えられていない)いじめの話が含まれています。


私がどうしようもなくて、どこにも行けない小さな子供だった頃の話。

当時、私は全校生徒30数名からいじめられていた。いじめてきた連中には妹も居た。
そしてそのいじめは三年間、つまり私が小学校四年の時に転校して、卒業するまで続いた。
卒業式の日。肩に落ちてきた紙吹雪をうっとおしく、苛立たしく払ったことを今でも覚えている。

友達のフリをした女子が『(私に)殺すと脅された』なんて嘘を吐いたり、スパイじみたことをして私の発言の一々を横流ししたり、集団で陰口を叩かれたり、男子は私に『キモい』とか『ウザい』とか、酷い言葉を投げ付けてくる日々だった。
上級生も下級生も、もちろん同学年も全員敵だった。
レクリエーションでも乱暴な扱いを受けた。
私はバイ菌みたいな扱いを受けていて、私に触れられると鬼ごっこめいた遊びがスタートするということもあった(その遊びには私にはバレないような名前が付いていた。後に知ってしまうんだけど)

先生も私の味方にはなってくれなかった。最初だけは耳障りの良いことを言って、面倒になったら投げ出した。転勤族で癇癪持ちかつ暴力的な父親とヒステリックで人の話を一切聞かない母親。母は何かと言うと「先生に言って『あげた』のに」と主張し、父は『転勤族だから』を理由に、当然のように転校もさせてもらえなかった。

私があの連中を許すことはない。絶対に。

ある日の放課後。いつだったか。
確か夏だったように思う。
テレビの下、PS1の電源を入れたらゲームが始まった。何でそのゲームを、『デビルサマナー ソウルハッカーズ』を選んだのかは覚えていない。何となくだった気もする。

ソウルハッカーズは悪魔と会話して仲魔にするというシステムで、架空都市やバーチャル空間が舞台のゲームだ。
実は小学校低学年の時にも少しだけ遊んだことがあった。その時は『相性ラヴくらぶ』というゲーム内のミニゲームをよくやっていた。

当時小四だった私はあの時と同じバーチャルの世界を立ち上げた。ゲーム内の漢字も前よりは多少読めたけど、殆どが分からなかった。瀕死を『せし』なんて読み間違えたりもしていた。

それでも、ゲームの中で会話して仲間にした悪魔が「トモダチだ」と言った。プレイヤー、つまり私をトモダチだと。

まあとは言え悪魔なんで、隙を見せたら殺されるんですが。

それは分かっていたけれど、当時の私は、一人ぼっちだった子供は心が震えるほど、死ぬほど嬉しかった。
ボタボタ涙が垂れて、うめき声が漏れて、床を拳でダンダンと叩いて、一人ぼっちの家の、リビングで丸くなった。
ブラウン管の画面には悪魔が居た。
ドット絵が瞬いていて、その動きが『大丈夫?』と言ってくれたように思えた。そんなことは無い。そんなことは分かっている。私はちゃんと分かっていた。

きっとこの気持ちは誰にも、一生理解はされないだろう。
それでも、その日から私の世界はATLUSと頭の中になった。

私は空想の中では自由で居られることを知った。
もう既に生身の人間は全員嫌いになっていた(今も人間はあまり好きでは無い)ので、想像の世界が私の味方で、唯一の友達となることが分かった。
空想と想像の世界と、本や漫画、ATLUSのゲームをもっと遊びたいという気持ちで小学校の三年間を何とか乗り切った。

悪魔を好きになった。
妖怪や龍や、神とか天使は……あんまり。カオスルートの方が好き。
化け物を、人でないものたちを愛するようになって、オカルトを好むようになった。
宗教の話も興味深く、怪談や奇談を聞いたり、集めることも大好きになった。

ATLUSのゲームがあったから、あの日の私は救われた。
ATLUSが、あなたが私を生かしてくれたんだ。私にとっての現実であり世界は、間違いなくあなただった。
誰から理解されなくたって構わない。
この狂信的な愛は生涯、ATLUSに捧げると決めた。

辞めた人がたくさん居て、私の愛した人々は居なくなっているという話も聞いた。
その人たちの行く末がたくさん幸せで、健やかであって欲しいと願う。

ATLUSという会社は、色々と言われることもあった。
でも、強く強く思っていることは何も変わらなかった。

あなたがどんなゲームを作っても、私はあなたについて行く。あなたたちの作るゲームに救われたんです。あの時のスタッフはもう殆どが居ないけど、知っているけど、他の人が何と言おうがそんなことは知ったこっちゃない。

私は、あなたの魂を愛しているんです。

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