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インターンシップの減少

日本と違い9月にスタートする大学、大学院などは夏前には卒業論文を終え、学業を終えることとなります。

そのため、インターンとしての就職先を探す学生が多く出てくるのもこの頃です。

給料が出るインターンと無給のインターンがありますが、どちらも正社員雇用につながる可能性及びCV(履歴書)の見栄えがよくなることから、インターンを探す学生や卒業生は多いです。

普通の市況でも、外国人がインターンを探すのは難しいのですが、コロナ不況でネイティブでさえインターン先を見つけることが難しくなっています。

インターンを雇用するにはどうしてもトレーニングコストがかかってしまうので、多くの企業がインターン制度を中止しているのが原因です。

人事エージェント関連の人に話を聞くと、インターン制度について、負のループができているようです。
不況下でも、インターン採用をかろうじて行っている企業には、インターン応募が殺到し、高倍率の中採用したインターンはやはり優秀な人材が多く集まって良かったと当初は喜んでいたそうです。
しかしインターントレーニングの後、より好条件の企業に転職され、トレーニングコストがかかっただけになってしまったケースが多発し、やはり今はインターン制度は中止しよう、とどんどんインターン採用が少なくなっているのが現状のようです。

不景気だからこそ、学生もより良い条件のところに転職したいですし、なかなか難しいですよね。

こういう状況を見ていると、日本の新卒制度はさほど悪いものでもなかったのではと思います。
名刺交換のトレーニングなんてものはどうでもいいとしても、キャリア形成のコツや、ビジネスコミュニケーション、社内メールのやりとりなど、仕事スキルの前に社会人として学ぶことはたくさんあるし、それを新卒が学ぶ機会として享受できていたと思うからです。

アイルランドでは、その縮小版としてインターンシップやトランジションイヤー(※)があり、企業勤め体験ができるのですが、その機会が不況により奪われ、貴重な学びの機会が失われていると感じます。

今の目下のコスト削減が重要なのは分かっていますが、若い世代の学習機会を奪うことは将来的に大きな損失につながるのではないかと危惧しています。

※高校卒業後の一年フリーの期間。企業で無給で社会人経験をしたり、バックパッカー旅行したりなどして過ごす。

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