古い本について
なぜ古典を読むと頭が良くなるのか?
この理由は、2つあると思います。
・情報のない時代に書かれたこと
・普遍性・本質性があること
です。
①情報のない時代に書かれたこと
現代人が1日に浴びる情報量は、江戸時代の一年分、平安時代の一生分といわれています。
昔はそれだけ情報がなかったことを意味しています。
情報のない時代に書物を書き残すには、
頭を使わなくてはなりません。
今のようにメディアなどがないということは、
情報は今、目の前にしかないということです。
手元にある情報だけで、
小説や処世術などを書き下ろし、
1冊の作品を仕上げるのは、
非常に苦労しますし、高い知性が要求されるのです。
これらの本を読むことに、それなりの意味があるのは間違いありません。
ティックトックで話題になった
筒井康隆の著作
『残像に口紅を』
という小説があります。
(「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆくとあります。)
要は、使える言葉がどんどん制限されてしまう世界観を描いているのですね。
この本を読むと言語運用の難しさを理解するでしょう。
語彙が豊富になったから現代人は頭が良くなったのではありません。
むしろその逆です。
文化や伝統を発展させてきたのは、
情報量のない枯渇状態に生きた人たちなのです。
使える言葉が少ない枯渇状態のときに力をふり絞って表現することがそのまま脳を活性化させるのです。
②普遍的なものだから
何百年も残っているということは、それなりの正当性があるものが多いということです。
オワコン化する本は水の泡の如く、あっという間に消えていきます。
おそらく本質を捉え無いからでしょうね。
2つの理由を見てきましたが、
もちろん結果的に古典崇拝になるのもよくありません。
今の新刊本も良いものは必ずあります。
そこには新しい知識があるのですから。
ベストな読み方は、やはり現代書も古典をバランスよく取り入れることでしょう。
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