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男性の育児参加を促すサービスから見えてくる課題とは?

2022年4月1日から育児・介護休業法が改正されたことで、男性も早い段階から育児に参加し、パートナーをサポートできる環境が整うことになります。

育児・介護休業法の改正によってどう変わる?



前回の記事でもご紹介しましたが、2022年10月1日から「産後パパ育休(出生時育児休業)」が施行されます。その制度も相まって、男性の育児参加がより進み、今後様々な男性向け育児関連サービスが増えることが予想されます。

今回は、男性の育児参加の助けとなるサービスの紹介とその課題についてお伝えします。

「ママをサポートするパパ」に向けたアプリ

「パパninaru」というアプリをご存知ですか?

「パパninaru」
「家族を幸せにすることで、笑顔溢れる社会をつくる。」をビジョンに掲げ、妊活、妊娠・出産、育児、ライフスタイルの領域で、様々なサービスを展開する株式会社ever senseが手掛けるスマートフォン向け無料アプリ。妊娠から出産までの情報を配信する女性に向けて作られたアプリ「ninaru」の男性版アプリとして知られる「パパninaru」では、出産予定日までのカウントダウンや妊娠スケジュールを見れる他、胎児の成長に合わせてパパに対するアドバイスが表示されるなどの機能がある。
https://eversense.co.jp/product/papaninaru

妊活〜育児に関する情報を女性に提供するサービスはこれまでも数多くありましたが、2016年に男性目線の情報を配信する単独アプリをリリースし、近年においても「BabyTech® Award Japan 2021」の妊活と妊娠部門において、大賞を受賞するなど評価されています。

実際にアプリのレビューを見ると、「先輩ママ・パパからのアドバイスを見ることで、出産の不安を解消することができた」「父親になる自覚を持つことができた」などの好意的な意見が多く、多くの男性ユーザーから支持されている様子がうかがえます。

しかしながら、実際にアプリをダウンロードして使ってみると、ママ向けアプリ「ninaru」とパパ向けアプリ「パパninaru」の機能が大きく異なることに気が付きました。ママ向けには、妊娠カレンダーに体重や体調を記録する機能や出産に向けて必要な準備品の確認ができる出産準備品リスト、陣痛・胎動カウンターなどの記録ができるようになっている一方、「パパninaru」では、基本的に赤ちゃんの状態やパパ向けのアドバイス、関連記事等の情報を受け取れるのみとなっており、パパとママの育児に対する役割や負担の差が機能面からも見えてくるようでした。


子育てにおけるジェンダーギャップをなくすために、企業ができること。

近年では、男女における育児の役割分担が変化しているだけでなく、同性のカップルなど多様な家族の形も生まれているため、固定観念にとらわれた表現やサービス設計になっていないか、企業側は注意する必要があります。「パパninaru」の場合は、パパがアクセスできる機能が少ないことで、意図せず、パパが主体的に育児に関わる機会を減らすことにも繋がっているかもしれません。

性別に関係なく、2人で育児に取り組んでいくという意識をユーザーに持ってもらうためにも、まずは企業側からサービスの見え方を考えること、また時代に合わせてアップデートしていくことが求められているのではないかと感じました。

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