国際女性デーに現実を突きつける「Gender Pay Gap Bot」
3月8日は、国連が定めた「国際女性デー」です。この日に合わせて、毎年多くの人や組織がハッシュタグ「#IWD」「 #InternationalWomensDay 」「#BreakTheBias」をつけた投稿を行い、ジェンダー平等について意見を発信しています。
Gender Pay Gap Bot 登場
しかし、2022年の国際女性デーでは、企業や学校、非営利団体が投稿したツイートに対して淡々と現実を突きつけるアカウント「Gender Pay Gap Bot」が登場し、話題となりました。
上の画像は、女性活躍をPRしたMcKinsey & Companyによる投稿に対して、Gender Pay Gap Botが引用リツイートしたものです。「この組織では、女性がもらう時給の中央値は男性の時給に比べて22.3%低い」と具体的な数値を用いてMcKinsey & Companyにおける男女間賃金格差の現状を伝えています。
このBotは、イギリス人のコピーライターでソーシャルメディア・マネージャーのFrancesca Lawsonさんとソフトウェア・コンサルタントのAli Fensomeさんが作ったそうです。
Twitterアカウント「Gender Pay Gap Bot」
https://twitter.com/PayGapApp
男女の賃金格差がオープンデータに
イギリスでは、従業員250人以上を雇用する雇用主は、男性と女性の平均給与を毎年政府に提出する必要があります。集められたデータは、政府が運営するサイト「Gender pay gap service」でオープンデータとして公開され、誰でも自由に閲覧し、 Open Government Licence v3.0に則ってデータを利活用することができます。
Gender pay gap serviceウェブサイト
https://gender-pay-gap.service.gov.uk/
このオープンデータをもとに生まれたのが、Twitterのアカウント「Gender Pay Gap Bot」です。女性活躍やジェンダー平等を謳いながらも、実を伴わない組織に喝を入れるかのようなアカウントの登場によって、自社の環境改善に取り組むことの重要性を伝えています。
日本は男女間賃金格差が大きい国であることが、OECDのデータからも明らかになっています。今後、日本でも男女の格差に関する詳細な情報を積極的にオープンデータ化することによって、組織の取り組みにも変化が出るのではないでしょうか。そして、人々や組織の意識を変えてくれるような様々なサービスが登場するのだと考えています。
男女間賃金格差のデータ(OECD)
https://www.oecd.org/tokyo/statistics/gender-wage-gap-japanese-version.htm