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レンズは人類にナニをしてくれるのか?

TVerやったっけ?久しぶりに見たCMは「レンズは◯ンズ」ってなんだそれ?
言い切ってしまえばソレが罷り通る世の中だとはいえ、まあまあ誇大な表現が使われている。

HOYAがサイバー攻撃にあって、レンズを作る工程の指示系統が全部消されてしまった結果、レンズを出荷できなくなった。工場のラインも止まってしまって、特注レンズも製作することができなくなった。セイコーも同じシステムを使っていたため同じような現象が起きていた。

HOYAからのお知らせ
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7741/tdnet/2423894/00.pdf

HOYAビジョンケアカンパニーのお知らせ
https://www.vc.hoya.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/2404024_press_release.pdf

マスコミ発表は事態が収拾したときにはあんまり報じないし、「メガネが作れません」ってニュースは衝撃を持って伝えられるけれども、「メガネが作れるようになりました」ってのはあんまり飛んでいかない。

ボクは眼鏡屋であって、レンズを開発してるわけでもない。メガネ勉強してます!ってアピールもしてるつもりもするつもりもない。「なんだ、あのヒト、勉強してないんだ」って思われるのも、「ファッションの勉強もしてないんだー」とかも説明するのもそろそろ勘弁してほしいなーって感じ。

だけど
世の中は「レンズは◯ンズ」を求めている。

SNSの世界でわかりやすさが求められている。

でも人類が目に求めているものって単純ではない。
「今回は乱視は抜いときます」
「もう少し使ってみて慣れてください」
とかいう眼鏡屋には注意って見出しを付けたらもしかした何人かは見てくれるかもしれないが、世の中にはケースバイケースがあり、いろんな人にいろんな事象を説明しなきゃいけない。100聞いたら100答えることができるわけではないが、大体目が見えない原因は大体わかっている。

なんでこの人にこの伝え方をしてしまったんだろうとか、伝えた意味が曲がって伝わることもある。

「ニコンレンズウェアパートナー」

この仕組みって別に強力にこのレンズを推し進めていこうってもんでもなくて、メガネ屋さんのためにメガネのレンズの理解を深めていこうっていう取り組みで、メガネ屋さんがメガネのレンズを知ったらその先にあるエンドユーザーであったり、目に関しての悩みを持つヒトへの助けになるんじゃないかって取り組みに共感したのでボクもリアル、リモートの勉強会に参加しています。

メガネレンズ作ってる会社ってのもいっぱいあって、コストパフォーマンスの良い会社、めっちゃ個人の欲求に対して応えてくれる会社、システムだけ立派で大して良くもない会社とかあって(笑)(冗談です)、なるべく1社に独占にはしてしまわないで、お客さん目線で利用目的のあったレンズを選ぶように心がけています。フレームに対するこだわり以上にレンズにもこだわっています。

「てか何にこだわってるのよ」って興味を持たれた方はちょっと時間のあるときに来店されて、聞いてみてください。個人個人悩みが違うのでここには書かないようにします。本当にこの会社がいつもそうとかじゃなくて、今回こんな取り組みを始めたので聞いてくださいってとこ多いんです。レンズ会社をボクが選ぶ時はその用途にあったレンズを作ってくれるとこにお願いするようにしています。

で、レンズは人類に何をしてくれるのか?

紫外線から目を守ってくれる
目ってまあまあ焼けるんですよ。太陽って凶器なんですよね。ボクのレンズ、紫外線だけでなく、近赤外線も守ってくれるヤツににした結果、お肌の老化(目尻)にも気を使ってくれます。ゴミもレンズにくっつくので埃からも守ってくれてますよね。

物がはっきり見えるようになる
車の運転とかしていて、まあまあ見えてるけど、ちょっとぼやけている時、あっ、メガネ忘れた!とかメガネがあったら、とか思いません?度数が入っていても度数が入ってなかったとしてもはっきり見えるようになるレンズってあるんです。ジャンルとしては眩しさを防ぐ、防眩レンズってのもあります。

物を大きく見えるようにしてくれる
虫眼鏡ですね。

色々効能があるのですが、こういった一つ一つの悩みを解決していくことで、精神の安定をくれます。クオリティオブライフを確実に上げてくれます。ってことは作業効率を上げてくれます。ご飯を美味しくしてくれます。多分家族に感謝をします(笑)。

ってのを含めて、レンズは◯ンズってコピーはなんと暴力的なハナシなんです。レンズはどこのレンズを使っているか明記しないことは何かを隠してるんです。物事の深層について何も説明してないんです。薄型レンズって何が良いんか、薄くて軽いことで失ってることもあるんです。で、ボクにめっちゃ迷惑をかけてるくせに、メーカーのせいにしてるだけなんです。ウチにしてみたら取引先の1社2社がやむごとなき事情で工場がストップしただけなのに、眼鏡屋全部がメガネ作れないような報道によって間接的影響を受けています。

メガネは作れます

ボクが仕事を辞めてしまったとしたら、ウチのメガネが作れないだけなんです。

他は作れます。

SNSのキャンペーンももちろん打っていきます。未だ知らない場所や世代の人に対して見つけてもらう努力もします。しかしながら重要なのはなんか相談しに行きたい眼鏡屋が神戸にあるってのが一番大切なんです。そんなものにボクはなりたい。

って今回の一件で思いました。


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