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映画『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』をラーメンで表現した 「“禁断”のラーメン・コース」とは?

映画『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』の公開を記念して、一風堂が映画のストーリーやヒーローたちにインスパイアされたラーメンを生み出した。 マーベル・エンターテイメント監修の「“禁断”のラーメン・コース」と名付けられたこのイベントメニューは、情報が公開されるや否やSNSなどで話題沸騰、200杯限定のチケットがわずか数時間で完売しました。MARVELファンにとってはもちろん、ラーメンファンにとっても熱かったこのイベントの模様をお届けします。

WORDS by KOHEI UENO
PHOTOS by HIROHITO ITAGAKI

映画の世界観を、創意工夫と遊びゴコロで表現

こんにちは、ライターの上野です。ゴールデンウィークはとあるロックバンドのコンサートを見るために北米まで遠征してきたのですが、海外旅行中に食べたくなるものといえばラーメン。ニューヨークにも数日滞在したため、海外1号店でもある「IPPUDO EAST VILLAGE」に足を運んでみたのですが、あまりの長蛇の列に断念……。今なお衰えぬラーメン人気の高さを肌で感じました。

しかし、泣く泣く帰国した僕の胃袋を満たしてくれたのは、やはり一風堂のラーメンでした。どうやらMARVELとコラボしたスペシャルイベントが開催とのことで、アメリカ帰りの僕にとっても非常にタイムリー。その全貌を探るべく、一風堂 南青山店に潜入しました。

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イベントが行われたのは、5月13日(金)と14日(土)の2日間。真っ赤な「MARVEL」ロゴに迎えられて暖簾をくぐり、地下のカウンター席へ。すると、1/1スケールのアイアンマンとキャプテン・アメリカのフィギュアが待ち受けていて度肝を抜かれます。

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その名前のインパクトもさることながら、食材、配色、盛り付けで見事なほど『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』の世界観を作り上げています。たとえばメタリックブルーのどんぶりで提供される「TEAM CHINTAN」では、練り込んだブラックペッパーをアントマンにたとえた“Ant-麺”を採用し、小松菜でホークアイの矢を、ベーコンエスプーマでキャプテン・アメリカの筋肉を表現するなど、力強くも奥行きのあるクリアな味わいに仕上がっていました。

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かたやアイアンマンらしい真っ赤などんぶりの「TEAM PAITAN」は、ブラック・ウィドウ (ナターシャ・ロマノフ)の髪の毛をイメージしたオレンジ色のキャロット麺に、ヴィジョンの豊富な知識を思わせるミックス野菜、ウォーマシンのように重厚感のあるメンチカツといった具材が共演し、スープは濃厚ながらヘルシーで女性客からも好評でした。さらに、隠しキャラ的にスパイダーマンの糸を表現した綿あめ(!)がプラスされるという遊びゴコロもあり、こちらも思わずニヤリ。

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それもそのはず、今回2日間のイベントのために集結したメンバーは、全国の一風堂から集結したスペシャリストたち。このコースを考案した商品開発の栁本さんは「アベンジャーズならぬ“ラメンジャーズ”だ!」なんて笑っていましたが、まさに一風堂が誇る日本最強のヒーローチームなのです。メニュー開発のため何度も劇場に足を運び、試行錯誤を繰り返し、とことん映画の世界観やディテールを突き詰めたという裏話からも、彼らの創意工夫やラーメン愛がビシバシと伝わってきました。

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あの大物もサプライズ来店!?MARVELを愛する一風堂スタッフの想い

このイベント誕生のきっかけは、一風堂NYのジェネラルマネージャーで、ラーメンマスターの鐘ヶ江文浩さん。大のMARVELファンである鐘ヶ江さんが、一風堂NYの常連であり、かつて4年間ほど日本に住んでいた親日家でMARVELのバイス・プレジデントC.B.セブルスキーさんと意気投合し、今年2月にNYの一風堂WESTSIDE店で40食限定のイベントも満員御礼だったとか。

……と思っていたらなんと、そのC.B.さんが南青山店のイベントに緊急来店! このサプライズにはMARVELファンのお客さんも一風堂スタッフも大喜び、店内は一時騒然となりました。参加者を対象に行われたアンケートでは、「本当に素晴らしいホスピタリティとラーメンに対する愛情と情熱を感じられて、とても楽しかったです」「メニューは美味しいだけでなくメニューひとつひとつに意味があり映画のストーリーそのもので感動しました」「ラーメンとMARVELへの愛情とパワーを感じたイベントでした」といったコメントが多く寄せられました。

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このイベントの次の舞台は英国・ロンドン店になるかもしれないとのこと。デザートとして提供された「”団結”のパンナコッタ」は隠し味として紅茶の風味が感じられるもので、それはロンドンにバトンを渡すための“繋がり”を意識した、スタッフの粋な計らいでもあります。

そして、このイベントの構想中の4月中旬に熊本地震が発生。スタッフも全員着用していたWネームTシャツの胸元には『UNITED WE STAND(団結して立ち上がろう)』というメッセージが輝いていましたが、これには被災地へのエールも込められています。5年前の東日本大震災の発生時、一風堂は全国500店舗が参加する「ラーメン義援隊」を立ち上げ、募金や炊き出しなど被災地の支援に取り組みましたが、今回のイベントもまた、一風堂の変わらぬ“想い”が垣間見える2日間でした。

WORDS by KOHEI UENO
上野功平 / WRITER & WEB DIRECTOR

美容師免許を持っているライター&WEBディレクター。おもな執筆媒体は『Qetic』、『VICE JAPAN』、『CROSSBEAT』、『warp』、『RealStyle by Jeep®』、『bounce』、『Mikiki』、『Spincoaster』など。スペースシャワーTV『INTERNATIONAL FLASH』への出演歴もあり。ほかCDのライナーノーツ多数。

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