2022年東京外大日本史400字論述答案例

江戸時代の武士は支給される俸禄米を換金したうえで、食料などの生活必需品を購入するため、米価安武士にとって収入減となり、生活が困窮する原因となっていた。一方、飢饉などで米価が高騰すると、裏店住まいで日用稼ぎなどの雑業に従事する下層町人たちを中心に生活が困窮し、享保の飢饉の際には、米商人高間伝兵衛に対する打ちこわしも発生して、江戸の治安も悪化した。対応策として幕府は、米価高騰の際には困窮した町人を救済するため、御救米を支給したほか、お堀浚いや土運びなどの仕事を創出し、町から直接、人足を徴発して賃銭を与えて、生計が成り立つように配慮した。また、米問屋による売り惜しみを原因とする米価高騰を防ぐため、仲買を通さずに直接町人に米を売るように命じる一方、米価安の際には買米を行って米価安を防ぎ、大坂堂島の米市場を公認して米価維持・調整に務めるなど、米価政策に熱心だったため、徳川吉宗は米公方と呼ばれた。
(399字)

太字は指定語句

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