東京外語大日本史2015年論述答案例

第1問 問7
答案例
1920年代、日米の経済関係が良好なことを背景に、ワシントン会議で九カ国条約が締結され、日本はアメリカの主張する中国の領土保全などを受け入れ、その後、両国は協調関係で推移した。1930年代前半、満州事変が発生すると、日本の軍事行動をアメリカは認めず、日米関係は悪化する一方、イギリスが世界恐慌を背景にブロック経済圏を形成する中、日本は対米経済依存度を高めた。1930年代後半、日中戦争が勃発し、日本が東亜新秩序の形成を発表すると、ワシントン体制への挑戦と受け止めたアメリカは日米通商航海条約を破棄し、関係悪化に拍車がかかった。1940年代に入り、日本は条約失効による物資不足の解消と援蔣ルートの遮断による日中戦争の解決を目的として、東南アジアへの進出を企図し、2度に渡り仏印に進駐した。これに対し、アメリカは屑鉄・石油の対日禁輸を行い、関係悪化を背景に行われた日米交渉は妥協点を見出せず、交渉は決裂し、太平洋戦争が始まった。(400字)

太字は指定語句
推移型なので、年代で時期区分をする意識が大切。
指定語句はイギリスをどこで使うかが難しい。答案例の他、「ワシントン体制遵守=アメリカ・イギリスとの協調」という文脈で使用するなどが想定できる。

第2問問7
答案例
五山十刹の制の整備など室町幕府の保護を背景に、絶海中津らが漢詩文の創作を通じて五山文学を発展させ、如拙らが水墨画を盛んに制作するなど、北山文化は公家文化と武家文化の融合に加え、大陸文化の影響を受けた。(100字)

太字は指定語句。外大は文化史の論述が頻出なので、普段から理解の伴った文化史学習を意識したい。

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