2013年一橋大日本史第1問答案例

1人掃令。豊臣政権が発令したもので、武家奉公人が新たに都市や村に居住して町人や百姓になること、百姓が町人になることを禁止した。2正規の町人身分として認められるためには、町内に町屋敷を持ち、上下水道の整備や防火・防災・治安など都市機能を支えるために必要な町人足役を負担することの2つが求められた。3近世において、百姓と農民は身分と生業が不一致である。近世の百姓は村に住み、村を通じて領主に年貢・諸役を納めている人々をさす身分呼称であり、農民の中には本百姓の他、水呑のように年貢・諸役を負担していない者も存在しており、百姓は村と領主への負担を果たすことが求められた。農民は農業に従事する人々をさす。近世の百姓の生業の中心は農業であるが、それ以外にも漁業・林業など多様な生業に従事する人や複数の生業を兼ねる人も存在した。つまり、百姓と農民の正業は一致しないため、百姓の中には農民ではない人々も含まれていた。(400字)

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