2003年一橋大日本史第1問答案例

1農業全書。宮崎安貞。農書は新しい農業技術や農業の知識を掲載したもので、17世紀に豪農層に受容され、農業生産力の向上に寄与した。18世紀に入り、狭い耕地に労働力をつぎ込んで高い収益を得る小農経営や地域ごとに風土に応じた特産品の生産が一般化すると、経営・地域の実情に見合った農業技術を提供し、商業的農業の発達にも寄与した。2貞享暦。渋川春海。従来から使用してきた宣明暦の誤差が目立つようになった。3木綿。木綿は米よりも高収益が見込める一方、干鰯などの金肥を大量に必要としたため、木綿の栽培はハイリスク・ハイリターンの側面を持ち、商業的農業の進展を促す一方、村における階層分化の背景ともなった。木綿の栽培から綿織物の生産では、織布、染色などの生産工程を単純作業に分け、協同で効率よく大量生産されるようになり、多くの人々が利益を得て、社会全体の富裕化につながった。4麻に代わり、木綿が庶民衣料の中心となった。(399字)

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