2020年一橋大日本史第1問答案例

1民間省要は川崎宿の名主である田中丘隅が農政に関して記した書物。2宿駅の問屋場には公用の書状や荷物の継ぎ送りの際に使用する人足や馬が用意されており、街道沿いの村の百姓や宿駅の町人は伝馬役が賦課され、それらを用意した。3近江商人。4中世の巡礼の代表例に、院や貴族により行われた熊野詣がある。背景には信仰心があると同時に、行列をなして参詣することで、権力を誇示する意味合いもあった。これに対し、近世は庶民が講を結成し、伊勢神宮などへの寺社参詣や聖地・霊場への巡礼を行った。近世の巡礼は信仰心というよりも娯楽の要素が強かった。5商業的農業の進展などにより、人々の生活が相対的に向上したことを背景に、19世紀に入ると、庶民による物見遊山の旅が盛んに行われるようになった。その影響で各地の名所・旧跡への興味関心が高まり、東海道五十三次に代表される宿駅や名所を描いた風景画が多数出版されて、旅行熱に拍車をかけた。(399字)

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