2021年慶応経済日本史論述答案例

大問Ⅰ問2…2行
 17世紀、松前藩はアイヌとの交易地を藩士に知行する商場知行制を採用し、18世紀には、藩士が商場の経営を和人商人に請け負わせ、運上金を上納させる場所請負制に変化した。(80字)


大問Ⅰ問4…3行
 日本とロシアの国境は、幕末の日露和親条約において、千島列島の択捉島以南が日本領、得撫島以北がロシア領、樺太は日露雑居とされた。その後、樺太での紛争を背景に、明治初期に樺太・千島交換条約が締結され、樺太はロシア領、千島列島は日本領とされた。(119字)


大問Ⅱ問7(1)…2行
大津事件の際、政府は犯人に大逆罪を適用して死刑にするよう、裁判所に迫ったが、大審院長児島惟謙は罪刑法定主義に反すると反発し、刑法に沿って、犯人を無期徒刑とした。(80字)

大問Ⅱ問8(4)…3行
答案例①…実教『日本史B』ベース
 版籍奉還の直後、政府は大名と公卿を華族とした。1880年代に入り、立憲体制の構築を進める政府は後の貴族院議員の基盤を確保するために華族令を発令し、新たに藩閥官僚、軍人、実業家などを華族に加え、公・侯・伯・子・男の五爵位を与えた。(111字)

田中の答案例②…背景も記述
 版籍奉還の直後、国民の形成を企図する政府は大名と公卿を華族とし、士族・平民と同じ族籍とした。1880年代に入り、立憲体制の構築を進める政府は後の貴族院議員の基盤を確保するために華族令を発令し、従来の華族に維新功労者を加え、五爵位を与えた。(116字)


大問Ⅱ問8(5)…2行
 二個師団増設要求を第2次西園寺公望内閣が拒否すると、陸軍は軍部大臣現役武官制を利用し、上原勇作陸相を辞任させ、後継陸相を出さないことで内閣を総辞職に追い込んだ。(80字)


大問Ⅲ問10(2)…2行
琉球は服属の証として江戸幕府に対し、琉球国王の代替わりごとに就任を感謝する謝恩使,徳川将軍の代替わりごとに、将軍就任を祝賀する慶賀使を派遣した。(72字)


大問Ⅲ問12…2行
ノモンハン事件で日本とソ連が戦闘中だったのにも関わらず、ドイツが防共協定に反する独ソ不可侵条約を締結したことで、欧州情勢への変化に対応困難と平沼内閣は判断した。(80字)


大問Ⅲ問13(2)…2行
 吉田茂内閣は西側陣営と講和する一方、ソ連との戦争状態を継続した。「自主外交」を掲げる鳩山一郎内閣は日本の国連加盟に反対するソ連との国交回復を実現した。(75字)

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