2018年一橋大日本史第3問答案例
1日清戦争後、中国の弱体化を背景に、欧米列強による中国分割が進展し、それへの反発から発生した義和団事件に清政府が同調して、北清事変に発展した。日本を含む列強は出兵して清を降伏させ、北京議定書を締結した際、公使館保護の名目で北京周辺への軍隊駐留権を獲得した。2内閣は大本営政府連絡会議を設立し、内閣と大本営の連絡・調整をはかった。3不戦条約は紛争の解決手段としての戦争を違法行為と規定し、1920年代の国際協調体制を支える役割を果たしたが、全ての戦争を違法化したわけではなく、自衛戦争は除外された。4明治憲法体制において、全ての法律は帝国議会の承認が必要とされており、議会は政府の暴走を防ぎ、権力分立を担保していた。しかし、戦争遂行に必要な物資や労働力の動員を議会の承認が必要ない勅令によって可能とする国家総動員法が制定されたことで、政府は国民生活を全面統制下に置いた。これにより、議会の協賛権は形骸化した。(400字)