2012年阪大日本史第4問答案例
明治政府は富国強兵を実現するための殖産興業政策の一環として、お雇い外国人を招聘し、工部省・内務省を中心に官営事業を進めた。明治初期、富岡製糸場に代表される官営模範工場を設立し、東京砲兵工厰や横須賀造船所などの軍事工場、高島炭鉱などの鉱山を幕府や藩から継承したことが代表例である。また、郵便制度の創設や北海道における開拓事業も展開した。しかし、政府が財政難に陥ると、1880年代に入り、官営事業を整理する方針に転換し、農商務省を新設し、軍事工場と鉄道を除く官営事業の民間への払い下げを進めた。(242字)