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【総合評価〇】競馬場探訪: 英 エプソム競馬場(エプソムダウンズ競馬場)Epsom Downs Racecourse

言わずと知れたダービー&オークスの開催場であり、世界のホースマン憧れの地。ダービー等で使われる高低差40mの2,400mコースを用いるレースは必見。競馬"場"好きの人ならば、開催日以外でもトッテナムコーナーからエプソム競馬場を眺めるだけで癒されるはず。

イギリスの競馬場を独自の視点で評価しています。総合評価は◎〇▲△の四段階。各評価ポイントは★×3が最高点。全ての競馬場の評価一覧は以下の記事をご覧ください(随時更新中)。訪問を検討されている方の参考になれば幸いです。
https://note.com/ippei_genuine/n/ne3ab24c12e85

エプソム競馬場(エプソムダウンズ競馬場) / Epsom Downs Racecourse 概要

所在地:イギリス Surrey County
創設: 1661年
開催競馬:平地競争
馬場:芝(左回り)
主要なGIレース:

<5月/6月>
- Coronation Cup コロネーションカップ
出走条件:4歳以上、距離:1mile 4furlong  6yard (2,420m)
- Oaks Stakes オークス
出走条件:3歳牝馬、距離:1mile 4furlong  6yard (2,420m)
- Derby Stakes ダービー
出走条件:3歳牡馬・牝馬、距離:1mile 4furlong  6yard (2,420m)

 ・ 総合評価 ○

設備は近代的だが、コースの形状はアップダウンの激しい丘陵地という、イギリスの競馬場の魅力をぎゅっと詰めたような競馬場。ダービーやオークスの週にロンドンを訪問するのならば、是が非でもチケットを入手し世界一の名誉あるレースを観戦されたい。その他の開催日はロンドン近郊にありながら絶妙なローカル感のある競馬場という印象。最終レースの発走が20時を越える夏の薄暮開催をゆったりと楽しむのがおすすめ。

・ ロンドンからのアクセスの良さ  ★★★

Epsom Downs競馬場の近くには、Epsom, Tattenham Corner、Epsom Downsの三つの駅がある。各駅から競馬場までのアクセスは、ロンドン中心部からの電車の本数が多いEpsom駅からはバスかタクシーの利用が必要であるが、Tattenham Corner駅、Epsom Downs駅からはいずれも徒歩10分程度。ロンドン市内の滞在地や電車の運行状況により、各駅を使い分けて利用するのがおすすめ。

1.  Epsom駅を利用する場合
- Waterloo駅もしくはVictoria駅→Epsom駅(South Western RailwayもしくはSouthern Railwayの直通電車で約35分~40分)
‐ Epsom駅→Epsom Downs Racecourse(バスで約15分) 
2.  Tattenham Corner駅を利用する場合
- London Bridge駅→Tattenham Corner 駅(Southern Railwayの直通電車で約1時間)
- Tattenham Corner駅→Epsom Downs 競馬場(徒歩で約10分)
3.  Epsom Downs駅を利用する場合
- Victoria駅→Epsom Downs駅(Southern Railwayの直通電車で約1時間)
- Epsom Downs駅→Epsom Downs競馬場(徒歩で約10分)

・ 公共交通機関のみでのアクセスの良さ ★★☆

【電車+徒歩】
アクセス容易かつ種類が豊富。個人的には、駅がEpsom競馬場の第四コーナー付近にあたり、駅を出てすぐの丘の上から競馬場全体を俯瞰できるTattenham Corner駅の利用がおすすめ。

・ 場内の雰囲気 ★★★

大きく近代的なスタンドと広大な敷地を擁する競馬場。オークスやダービーの開催日は、広々とした内馬場もロンドン市内から乗りつけられた二階建てバスや車両で一杯となる。一方で、ダービー前後の開催を除くと雰囲気は一変し、周辺住民が犬の散歩がてらに立ち寄るような地元密着型の競馬場に。夏場は薄暮開催が中心のため、ロンドン観光の後にゆっくり競馬を楽しむということも可能。

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・ レースの臨場感 ★★☆

ダービーでも用いられる2,400mのコースは、内馬場越しに見える向正面奥の丘の下をスタートし、高低差40mを登って下ってまた上るというモンスターコース。最後の坂に臨む騎手と馬の人馬一体のアクションは見ているだけでも熱くなる。ただし、観戦エリアから芝コースの外埒の間に車両一台分のスペースがあり、また、芝コースの横幅も広いため、馬群が内埒沿いを通る傾向がある日は、観戦エリア最前列からでもやや遠い印象も。スタンドから俯瞰して見る方がレース全体を楽しめる。

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・ 競馬場周辺の観光 ★☆☆

Epsom Downs競馬場周辺に特に観光スポットはない。ただし、ロンドン近郊にある他の競馬場と比べて、競馬場の敷地が周辺からよく見える構造となっているため、競馬開催時間の前後に周辺(前述のTattenham Corner駅周辺や内馬場等)を巡るのも楽しい。

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・ 参考情報(競馬場のHP、写真等)

エプソム競馬場のHP:
https://www.thejockeyclub.co.uk/epsom/

関連写真:以下のとおり。なお、これらの写真はいずれも重賞レースが実施されていない薄暮開催の日に撮影。大きなレースが開催される際は、観客数や競馬場の雰囲気、入場可能なエリアに違いがあると思われるため、ご留意いただきたい。

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↑ Epsom Downs競馬場の最寄り駅の一つであるTattenham Corner駅。始発・終着駅のため、ゆったり座って帰宅できる。

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↑ Tattenham Corner駅から競馬場までの道中は、第四コーナーから直線を望む丘やコースを横切ることができる箇所があり、競馬場好きならテンションが上がること間違いなし。

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↑ Duchess's スタンド外観。

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↑ Duchess'sスタンドよりゴールポスト寄りにあるQueen'sスタンド

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↑ Duchess'sスタンドから第四コーナーから直線入り口方面(上)とゴールから直線出口方面(下)を望む。

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↑ Duchess'sスタンドから直線の距離感はこの程度。奥に見える木々の手前が向こう正面。内馬場は芝生が広がる丘陵地で、GI開催日以外は無料で入ることが可能(ピクニックや犬の散歩をしている地元の方が多い印象)。

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↑ ダービー開催時(別の年に撮影)は広大な内馬場も観客で一杯になる。

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↑ Queen'sスタンドからはゴール前の様子を間近で見ることができる。

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↑ 観戦エリア最前列から見た直線の攻防。かなりの勾配を駆け上がってくるハードなコース。

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↑ ゴール前の芝生エリア。内馬場側のゴールポストの奥に見えている林のあたりがダービー等が行われる2,400mコースのスタート地点(写真上)。ここから第三コーナー付近までひたすら上りが続く(写真下)。

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↑ 返し馬の様子。コースのアップダウンを見ていると返し馬だけでばててしまう馬がいるのではないかという気分になる。

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↑ パドックはスタンド裏に位置。装鞍所との一体型でプレパドックはない。

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↑ パドックの横には1933年のダービー馬で種牡馬としても多くのダービー馬を輩出したHyperionの名を冠したバーが。

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↑ Hyperionのバーの逆サイドには、1991年のダービーを5馬身差で圧勝したGenerous(ジェネラス、日本でも種牡馬経験あり)の銅像が鎮座。

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↑ ウイナーズサークルは、Queen'sスタンドの前に位置する。一着馬のみが入場を許され、二着以降は、馬場内で鞍を下ろす珍しい形式。

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↑ スタンド内には広いフードコートや各種バーを完備。

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↑ ダービー後に訪問すると、スタンド内の装飾は2021年ダービー馬Adayar仕様に。

<以上>

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