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Threadsは救世主にならないかもしれない

Threadsという「Twitter風SNS」が誕生した。

去年から続くイーロン・マスク体制に不満を募らせ、最近のAPI規制騒ぎでTwitterに嫌気がさした人々が続々と登録しているようで。
ただこのThreads、本当にTwitterの代替になるのだろうか。

○インターフェースはほぼ同じだが…?

既にIT系のネット記事やTwitter上にThreadsの写真や動画がアップされていてそれを見ると見た目や操作の仕方はTwitterとほぼ同じ。いろんな声が出ている中で気になったのは「インスタみたいに知らない情報を流してくるからただ見るだけだと辛い」「フォローしてない人のツイートを大量に表示させられるのがちょっと…」というコメント。
えっ…見たくもない人のツイート見せられる感じなんですか…?
いまはもうみんな慣れてしまったがTwitterでおすすめユーザーやおすすめトピックが表示されるのがだいぶ不評だった。それが本当に必要な情報でなかったりするから余計に。なのにまた別のSNSで、しかもテキスト型のTwitter風のSNSでまた「ねえ!コレいいでしょ!きっと君に合うはずだよ!」ってな感じで見せつけられるのはいかがなものか…。見た目や操作法だけでなく押しつけがましくて精度の低いおすすめをされるのまで同じらしい。

○インスタグラムと紐付けされる

Threadsの登録にはまずその前にインスタグラムの登録が必要になる。Threadsでは無料で認証バッジが付く(期間限定)が、Twitterではお金を払って認証バッジが付くところを、インスタグラムのアカウントを本人認証の担保とするわけだ。当然ながらインスタグラムとThreadsのアカウントは紐づけされる。さらにfacebook(以下FB)とも連携されるという。
問題はこの「FBとの連携」だ。過去にFBに登録したら「母校の同級生」や「会社の同僚」が勝手に繋がってしまったということが誰の経験にもあると思う。
これが有名人や一般人でも意識高い系の人なら別に周りに知られても構わない・覚悟の上なのだろうが、それ以外の人は「趣味と仕事は別」「誰彼構わず絡みたいわけではない」と思っている人が多いのが事実だ。
そのFBのトラウマがあるから今回の連携も「また同じことが起こるのでは…?」と登録に躊躇してしまう人が多いように思う。
仮に自分の好きな有名人がThreadsを始めても、プライベートを全く別にしている友人や関係者に身バレするリスクを背負ってまで登録するかは疑問。
有名人や意識高い系がプライベートを切り売りしてもただの一般人がプライベートを切り売りしたいと思っているわけではない
また、Threadsを退会するにはインスタグラムのアカウントも削除しなければならないという悪魔契約を結ばなければいけない


ので要注意。登録した人の中には「Threads用に新しくインスタグラムのアカウントを作った」という人も居て、これは登録の仕方としては正解ではないだろうか。メタ的には単に「Twitterのユーザーを奪う」ほかに「インスタグラムの登録者数を増やす」ことも目的だろう。

○Threadsに集まる人たちの層

先の項で「有名人や一般人でも意識高い系の人なら別に周りに知られても構わない」と書いたが、Threadsに集まるのはまさにそういう人たちが多いのではないだろうか。だって「インスタとFBと連携される」から。
では有名人や意識高い系の人ばかりが集まるとどうなるか。
彼らは専門分野に詳しかったり一芸に秀でていたり金持ちだったり単純にルックスが良かったりするわけだが、だからといって必ずしも「いい写真・動画を撮れる技術」や「面白い・笑えるネタをつぶやける能力」を持っているわけではない。そうするとつぶやく内容は「ビジネス」や「仕事の宣伝・告知」ばかりになる可能性がある。
更に、それぞれTwitterはテキスト主体で画像・動画は添付されるもの、インスタは画像・動画が主体でテキストは添付されるものというSNSなので、インスタのインフルエンサーはそれまでテキストをメインとしてこなかったことになる。今まで喋らなかった人たちが急に喋り出すわけだ。ここに大きな落とし穴がある。
例えばRTで流れてきたあるイラストレーターの描いた絵に興味を引かれたとする。「どんな人なんだろう」とワクワクしながらプロフィールを覗いたら陰謀論や偏った政治思想に染まった発言をしていてドン引きした…なんて経験が誰でも1度はあるだろう。
「芸能人に真面目な話をしてもらいたくない」という人が一定層いるように、Threadsでの発言がファンをがっかりさせるという自身のマイナスプロモーションになる可能性は大いにある。今まで喋ってこなかったぶん余計に。下手すりゃフォロワー数の減少を引き起こしかねない。
となると「過激な発言や自身の本心を語るのはやめて当たり障りのないツイートに終始する」ことになるだろう。そうするとタイムラインはキラキラした人たちのビジネス絡みや面白みのない発言ばかりが溢れることになる。

○Clubhouseがフラッシュバックする

ここで思い出されるのが「Clubhouse」である。2021年初頭に日本で突如として話題沸騰し、2か月ほどで衰退していったあの伝説のサービスだ。Clubhouseでの発言はサークル内の人間しか聞くことができず、発言内容は他言無用。Clubhouseに登録するには他の人からの招待がないと入れない(…だっけ?もううろ覚え)というもので、案の定発言内容が外に漏れまくったことに芸能人がキレてるのを見て「何やってんだコイツ」と思ったのは記憶に新しい。
そのClubhouseとThreadsがダブる。集まるのは有名人や意識高い系の人たちばかりで、登録するには「招待が必要」も「インスタのアカウント登録必須」もどちらも煩わしさが発生するのも似ている。
何より「有名人が早くから注目している」という点。
当時このClubhouseがどんどん話題になっているときから「有名人が売れると判断した・真っ先に飛びついたものは流行らない」と言われていた。この言説には僕も全く以て同意していた。大体流行るものは一般人の間で注目されて、それが有名人のもとに降りて来るというのが「流行の流れ」だからだ。
もうひとつ。昔「逃げるは恥だが役に立つ」という漫画原作のドラマが流行ったときに、俳優陣が逃げ恥ダンスをEDで踊るというのが大バズリしたのは誰もが憶えているだろう。実はこのアイデアは「売れる」とか「流行らせよう」という意思のもとではなく、ただ単にスタッフの「面白そう」という気持ち一つで実現したものだった。
仮に「売れる」「流行らせる」と思って世に出して売れたとしてもそれはスマッシュヒットにはなってもビッグヒットにはならない。大事なのは「なんかこれ面白そう」の気持ちなのだ。
日本のThreadsユーザーはTwitterから逃げてきた人たちも多いので、「避難場所を求めて」だからそもそもの動機が「Threads面白そう」とは全く違う。
また、人気を得るSNSはユーザーが「何者でもない人間がスターになれる」という側面を持っている。YoutubeもTwitterもインスタグラムもTiktokも…17LIVEなどのライブ配信サービスもだ。その点、インスタから人気のインスタグラマーがスライドするだけのThreadsで「何者でもない人間がスターになれるか」は不透明だ。
なので以上の点から見てもThreadsはClubhouseや他の廃れていったサービスと同様に大して流行らずに終わる可能性がじゅうぶんにある。これは僕の意見ではない。歴史が証明している。

○API規制のその後

日本時間7月1日にTwitterでAPI規制が起きてかなりの人が阿鼻叫喚したわけだが、僕自身は7月3日の月曜以降はAPI規制が一度もかかっていない。ほかのTwitterユーザーも月曜以降はAPI規制が一度もかかっていない人が結構いる。僕の場合はいわゆる「ツイ廃」ではなく、他の方も規制がかからないよう気を付けているそうで、阿鼻叫喚もほとんどと言っていいほど見掛けていない。なので今現在API規制が解除されている状態なのかはわからないが「案外規制が発生していない」ことは事実である。
それだったら別に乗り換えなくてもよくね?」と思うのは自然なことではないだろうか。このAPI規制もいつまでもこの状態を続けようとはTwitter社自身も思ってないだろうしいつかは解除されるだろう。もしかしたらユーザーである我々の中にも「API規制がかからないように気を付けていたらいつの間にかツイ廃を卒業できました!」なんて人が現れるかもしれない(笑) そうすれば「Threadsに登録するまでかなあ?」と思う人もでてくる可能性もある。

…とまあThreadsのネガティブキャンペーンみたいになってしまった(笑) ここまでいろいろと書いてきたが、1か月かかるか数か月かかるかはわからないが最終的にはTwitterとThreadsとの「棲み分け」「使い分け」がなされると思う。
両方使ってみて、Twitterの方が居心地がいい・使い勝手がいいと思えばTwitterに軸足を置くだろうし、それがThreadsならThreadsがそうなるということだ。Threadsも今後修正を繰り返してより使いやすいものになっていくのではないかと思われる。
なのでどちらかをメインに、どちらかをサブに使うということで落ち着くのではないか。
何より「どっちが覇権を握るか」なんてことは大半のユーザーにとってはどうでもいいことで、結局は自分が使いたいサービスが存続できてればそれでいいのである。

とりあえず、Threadsは言うほど流行らなくて、Twitterと使い分けされるのではというのが僕の予想です。

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