読書レビュー: 船の食事の歴史物語:丸木舟、ガレー船、戦艦から豪華客船まで(サイモン・スポルディング 著/大間知知子 訳)
さて、今回も読書レビューなわけだが本題に入る前に
寝て起きたらフォロワーが40人近く増えていて
人生(ロボ生)初めてスキ制限なる謎の通告をうけて戸惑っている
一般ロボットと申します宜しくお願い致します(礼節を知るロボット)
まあ、私の事はプロフィールを見るなり記事を見るなりTwitterを見るなりして頂くとして(露骨な誘導)
この本けっこう凄い
返却前に写真を撮るのを忘れてしまった、すまない
さて、何がすごいかというと細かすぎる
年代ごとの船舶、組織の情報から調べたであろう各種レシピ調理状況はいうに及ばず
いくつかの沈没船の状態まで記し、推測して当時の船上の食事に言及している
この調査度、考察度が業界のデフォルトならば申し訳ないが、筆者の情熱とマニアックさに心打たれる事は間違いない
レシピや食事の記述が全く美味そうじゃない
この本、食事の本、しかも分厚い食事の本にも関わらずその食事風景や料理が全くおいしそうではない
むしろまずそうだ
しかし、時代背景や船上の食事というもの自体を考えると
そもそも船旅の食事など贅沢で美味いしくなったのは最近の、ごく1部の話ではないのか
当たり前の話ではあるが、かつての船旅というものが危険で過酷であり、肉体精神の両方に相当なタフネスを要求されることだったのだろうなと考えさせられる
まして奴隷船など、である(奴隷船についてもしっかり触れてあるので奴隷船マニアの方も安心していいと思う)
酒の描写がいい
いい
いや、別に美味しそうに書かれている訳でもないのだが
筆者が船上の、主に海兵たちが飲む飲み物を頑なに酒とは書かず、グロッグとばかり書く
グロッグがなんなのかについては、初出の初めのほうに少しとかなり読み進めたアメリカ海兵編のレシピに出てくるくらいなので、読み飛ばした場合全くわからないままグロッググロッググロッグと謎の呪文を浴びることになるかもしれない
そしてこの本、巻末にレシピ集があるのだが
文中に登場した様々な(ほとんどはあまり美味しそうではない)レシピが網羅されている激エモゾーンといえるこのパートで
グロッグだけで年代別3種類ものレシピが載っている
海の男を気取りたいなら必見である
さて、少しマニアックな感はあるものの
たまにはこういったあまり見ないジャンルの本を読むことで、新しい発見があるかもしれない
それが読書の醍醐味ではないだろうか?
さあ、今日の締めは勿論こいつで行こう
哀れな人類諸君、またよろしくたのむ
グロッグ:1805年ネルソン提督風ーダークラムと水を1対4の割合で混ぜ、ひとり当たり砂糖小さじ½、ライムまたはレモン果汁小さじ1を加える。(巻末より抜粋)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?