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知的財産権保護の強化が急務 中医薬が「韓国で花開き、日本で結果を出す」事態を防ぐために

2023年、日本の漢方薬大手が中国の百年老舗中薬企業の買収を試みたことで、業界内外で大きな注目を集めました。今回の買収は最終的に失敗に終わりましたが、日本は近年、買収や資本拡大などの方法で中国の伝統薬方を広く収集し、中薬市場への参入を加速しています。

「中国原産、韓国で花開き、日本で結果を出す」という言葉は、中国の中医薬産業に対する懸念を浮き彫りにしています。

平安津村は、日本の津村株式会社と中国の平安が2018年に合弁で設立した会社で、日本津村が約56%の株式を保有しています。津村は日本最大の漢方薬製造業者であり、世界最大の中薬原料輸入業者の一つです。日本津村は百年の歴史を持つ陝西紫光辰済薬業に注目し、中国の伝統薬ブランドと生産販売の経験を取得し、漢方薬市場でのビジネスを拡大しようとしています。

1991年から、日本津村は深圳、上海、天津に相次いで支社を設立しています。2023年3月、津村薬業は天津中薬産業基地プロジェクトに増資し、2022年8月には中成薬を主力とする健民グループが平安津村と協力して「津村健民製薬有限公司」を設立すると発表しました。2021年4月には、平安津村が中薬材および飲片のリーディング企業である天津盛実百草中薬科技有限公司を12億元で買収しました。日本津村薬業はこれまでに中国に70以上のGAP薬材栽培基地を設立しています。

世界特許データベースの資料によると、世界の中草薬および植物薬の特許出願のうち、中国の特許出願はわずか0.3%に過ぎないのに対し、日本は世界の中成薬特許の70%以上を占めています。

中国が中医薬の核心を自国で掌握するためには、以下の3点に重点を置くべきです。
1. 伝統的な有名処方を重視し、知的財産権保護を強化する。
2. 研究開発と科学技術革新を重視し、国際競争力を向上させる。
3. 国際標準の制定に参加し、発言権と主導権を掌握する。

この記事は、2024.W31(2024年 第31週)の毎週知財新聞から抽出したものです。

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