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寄せ場文化

階級社会であるこの世の中には生活に困らない中産階級以上の方々がおられます。

しかし、資本主義社会というものに貧困は付き物。

社会においては、労働階級以下の暮らしをしている庶民が大半です。

その中にあって、さらに底辺を構成するのが「寄せ場」の暮らし。

山谷、西成に代表される日雇い労働者や刑務所に収監されている者、精神病院の閉鎖病棟などに隔離されている障害者たちは独特の社会文化を育んできました。


いわゆる底辺文化の象徴、「寄せ場文化」です。


仲間であっても、本名を明かさないことや過去をいっさい聞かないとか、写真を撮られるのを極端に嫌う。

それでいて仲間意識が強く、いったん団結すると公安や機動隊を相手に一歩も怯(ひる)まない、そして暴動に身を投じることすら厭(いと)わない.....................。


そんな昔堅気のオッサンは、かつては寄せ場にいくらでもおられました。

独特の掟(オキテ)とルールに従い、仲間同士たすけあい、浮世の辛さを酒(水)で飲み流す彼らは日本の高度成長期を底辺で支えた功労者です。

時代が変わり、現場仕事は年齢と共に減らされ、最期は遣い捨てられていった彼らはいま、生活保護費で暮らさざるを得ない人々が大半ですが、彼らが時代の負け犬だったかと問われるならば私はそうではないと声を大にして言いたい。

コロナ禍の真っ只中で失業したり、炊き出しに並んだ人々の誰もが寄せ場文化の中にあったのです。

むしろ、本当の寄せ場を経験した人々のほうが剛かったかもしれません。


彼らは人間として最も尊い、「分かち合う」ということを知っていたのですから。




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