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細かく写しとった「絵心経」。 江戸時代、文盲の人たちが身仏にすがる。

ご覧の通り大日如来像を中心に、その下に絵文字のようなものが描かれている。
これは「絵心経」である。江戸時代に字が読めなかった人たちのために般若心経の文言を絵で表現したものである。

般若心経を絵で表現されているのを見ると、当時の庶民が使う日常のモノを絵にしている。それが実にユーモラスに表現されているのには驚かされる。
例えば、摩訶般若波羅蜜多心経の出だしの「摩訶」は釜を逆さに描いて"まか"と読ませている。「般若」は"般若の面"、「波羅」は"腹"、「蜜」は"箕(農具)"、「多」は"田んぼ"、「心経」は"神鏡"などお絵描きあそび、言葉あそびのように様々な楽しさをもたせている。
文盲の方たちがみ仏の慈悲にすがるためにこの「絵心経」が広まり親しまれたようである。

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これを描かれたのが神戸教室の70代の女性。絵心経の見本を見ながらこと細かく写しとられている。この作業には頭が下がる思いである。

レポート & 写真 /渡邉雄二   制作/ 神戸教室の生徒さん

よろしければサポートお願いします。日本の伝統文化に関心を寄せています。若いころに文化圏の異なる地域の方たちとの交流で日本のことをあまりにも知らなかったことに気づかされ、それがきっかけで広く浅く学んでいます。拙いレポートですが、お目に留めていただければ幸です。