シングルコレクション
写真と音楽は似ている。
前にも同じようなことを書いた(note「音楽と写真」)けど、もう少し掘り下げて。
写真集を出すことや写真展を開くことは、アルバムを出すことやライブをすることと重なる。
アルバムの中にはオリジナルアルバムもあればシングルコレクションのようなベスト盤のようなものもある。
前者は一つのテーマに沿って曲を作り上げ、アルバムを通してそのテーマを紡ぐ。
それに対して後者は今まで作り溜めたベストな曲を順番に並べる。
僕はオリジナルアルバムが好きだ。
ベスト盤は確かに、素晴らしい曲ばかりでまさにベストな内容になってる。
けど、それぞれの曲はバラバラで、アルバムとして何度も何度も繰り返し聴きたいと思わない。
一度聞けば満足してしまう。ベスト盤はどこか退屈だ。
オリジナルアルバムにはキーになる曲はあるけど全てがそれではなくて、名曲とは呼べないような曲もある。けど、その曲は前の曲と次の曲を繋ぐのに必要不可欠な曲で、その曲のおかげで前後の曲がより際立つ、橋渡し的な役割を果たしている。
何より、アルバム全体がひとつのテーマに沿って作り上げられているので、聴けば聴くほど深みを増す。
ふとした時に「あのアルバムを」と手にとってしまうような。
写真集や写真展も同じなんじゃないかなと思う。
今まで撮り溜めたベストの写真を集めただけの写真展や写真集よりも、一つのテーマに沿って撮影されたギュッと濃縮した作品が詰まった写真展や写真集が好き。
何度でも、いつまでも眺めたくなる。
写真と音楽は似ている。
だから、ずっとずっと離れられない二つのこと。
RICOH GR III
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