★それぞれが確かめ、求め。②
「ただいま」
私は急いで家に帰った。少しでも自分の時間が欲しかったから。毎日繰り返してることなのに、いつになっても慣れない。でも、ものすごく疲れる。
「おかえり」
――お母さんの声だ。廊下の先のリビングからかすかに聞こえた。これも、いつものこと。でも今日は違う。
何だかリビングに行きにくい。私は自分の部屋に荷物を置いた。どうしよう…。どんな顔でお母さんを見たらいい?
――でも、そんなこと言ってられなくて。
「美香子、先にご飯食べちゃいなさい」
お母さんは廊下のドアを