五百

デカ猫の額

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すずらんの橋

ポップなメロディの上で 死んだあいつのこと思い出したら 一番好きなあの歌を 歌おう こんな日々に疲れて 悪魔が耳元で囁くけど 僕ら大丈夫だから 何もかも嫌になったら あの橋で 煙草吸いに行こうぜ きっと死にたくなったなら あの橋で 煙草吸いに行こうぜ 空見上げたら風船が 手元を離れてどこまでも飛んで 硬く握った手が 残って いつか割れるかも しれないそれに思い馳せて 命は続くから 何もかも嫌になったら あの橋で 煙草吸いに行こうぜ きっと死にたくなったなら あの橋で

    • タワー

      僕はもうダメかもしれない 高層ビルに立つ純朴な あの子の夢見る枕濡らす 僕はもうダメかもしれない 躊躇いもなく思い蟠る 燻ったまま潰れて行くか 僕はもうダメかもしれない 毒を飲んだ駅東京 夏草に倒れる勇気がない 僕はもうダメなんだけど どうしても泣けないことが 精一杯のそれ 僕はもうダメなんだけど 煌めいて見えた街の明かりを 酔ったまま受け入れて 未だコンクリの感覚

      • ふらりふらり 歩く 夜の道は さみしい 2人そばで おしゃべりを していても 苦しい たまには 嘘を つくような焦り とどのつまり 好きだよって 出かかった言の葉が詰まる 天国に行けるような君の笑顔は 地獄に行くような僕ともうお別れさ さよならさ もう2度と見えなくなって ふらりふらり 考える 未来のこととか 祭囃子 聞こえてくる 商店街の方に 天国に行けるような君の涙を 地獄に行くような僕はもうその 涙を拭うこともないだろうに 天国に行ったはずの君の笑顔 愛してる

        • ぜーんぶ嘘

          新宿 15番線の喧騒を 遮れるよう 音量を上げた イヤホン 流れてる くるり 隣のやつの 画面には 今日のニュース 残酷な 女子高生が 死んだってさ 知ってた 山手 6号車の混雑を 無視するように 集中した 画面 ライブ ばらの花 向かいの人 スカートが 揺れていて 困る 目の向けどころと そこにある 下心 ねえあなた 幸せに生きてなきゃ 生きている意味がないじゃないの あなたに助けてもらった 恩なんて 忘れたわ 綺麗さっぱり そう言って 捨てられたよ  大学駅前 窓か

        すずらんの橋

        マガジン

        • 創作
          38本

        記事

          あなたって風邪をひくと 猫背の癖があるのよねと 体調を崩すたびに 思い出す その瞬間だけ 人知れず 3階の踊り場で物言う朝方の まだ寒い外は雪だから もう少しだけ 覚えてない その瞬間の 感度を 思い出の匂いがする日々が 歩いたような帰り道に 舞い戻る こんな話今更したって  猫が進んでく先に つく足跡の平行感覚 あなたってその顔の そばかすが気になるって言うけど それすら今は 穢らわしい 指先の感覚が 覚えてるから 橋を渡るその途中凍った川の上 渡してくれた手袋の

          戦艦

            戦艦に乗り込みたい。 俺はあの湾に停泊している巨大な鉄の塊に是非乗船したい。 大砲を打つ。 あの忌々しい大きな建造物に向けて。 汽笛を鳴らす。 俺がここにいるぞと言わんばかりに。 全部壊してやる。 お前らは雑魚だ。俺は戦艦なのだから。

          めいめい

          締まりきってない冷蔵庫を 足蹴に閉じる  ちらりと浮かぶ今日の献立 余ってたトマト缶 窓を開けて換気しよう 26度の風  生暖かい 肌着のよう 手を繋ぐ温度 スーパーまでは散歩には近すぎるから もうちょっと歩こう そうだあの銭湯までとか 心がまだ 覚えている あの変な日常を 部屋の匂い 薄い毛布 くたびれたぬいぐるみさえも お気に入りの歌を 口ずさんで ふと考えてる いつかくる地獄のような時を 作り置きの麦茶を コップに注ぐ 二つ 製氷皿はここの夏には ちょっと小さすぎ

          僕らは田舎のナードだから

           私は日記でも散々書くように田舎の出身である。酷く田舎である。でもそこまで思い浮かぶような田舎ではないかもしれない。こう記述すると、田舎者のどれだけ田舎なのか自慢みたいに聞こえるので明記しておきたいが、そこまで田舎じゃない。親の実家の方は本当に畑の中にある『アルプスの少女ハイジ』みたいな場所だが、全然住宅街に住んでいたし、それで何か生活が困ったことはない。困ったことがないのではなく、困るという状況を知らなかっただけである。  汽車やバスは1時間に一本だし、21時が終電だ。とい

          僕らは田舎のナードだから

          勘弁してください、日記

          ・春に向けて花瓶が欲しいんですけど、何かおすすめがあったら教えて欲しいですね。 ・春ってやっぱり全てが清々しく快い季節なのでこの気に乗じてうまくやる。 ・そう思った矢先、体調を崩しました!!胃腸炎になてり。痛すぎる。吐き気と腹痛が止まらないし、熱も出て関節が痛い。この世でもかなり地獄に近い。胃腸炎は普段接する中で最も身近な地獄。インスタントヘル。 ・優先席に座るという人生のタイミング、いつになるのだろうとずっと考えている。それはおそらく自分を年寄りだと自覚するというプロセ

          勘弁してください、日記

          日の記風呂

          ・ディズニーの映画見たいな。 ・モンスターズインクとか、ライオンキングとか。ディズニー映画ってディズニープラスでしか配信されていないから、滅多にみることができない。あと近くにレンタルビデオ屋が無いので借りに行くことも出来ない。 ・というかレンタルビデオ屋、なさすぎない!?この世から消滅したのかあれ。サブスクによって職を失った気がする。悲しい。地元は田舎なのでまだGEOがあった。でもサブスクによってレンタル業が縮小され、店の半分が小さい電化製品の量販店みたいになっていた。テレビ

          日の記風呂

          ピアノ

          涙が出そうだよ今日は 吐きそうなくらいの青空に 見える蜃気楼の影と本当のこと 甘噛んだ下唇に乗せた 無責任に音律が蔓延る駅のホーム 下ばっかみんな見てるけど 本当はこんなに綺麗だよ 手紙は捨てた 忘れてしまう前に どこまでも揺蕩って もつれてる綿毛のような 確かさを くだらない冗談のような 現実を 2Bの硬さのナイフで突き刺して 好きな音楽は君が弾くピアノだから 弾いてよ僕のために 世界のために

          アントニオ日の記

          ・元気ですかーーー!! ・アントニオ猪木に返答するアメリカ人 “not much” ・東京のくせに雪降ってて積もってた。東京のくせに。 ・ただあったかいからすぐ溶けるしべちゃ雪だった。雪に種類があることってもしかして内地の人はあんまり知らないのかな。そのパウダースノーとか。エスキモーには白を表す言葉がって言葉が200あるみたいな。環境に依存した言葉的な。 ・adidas originalの服、良すぎる。 ・これめっちゃ欲しいんだよな。でもそこそこ高いし、別にドイツ代表

          アントニオ日の記

          お久日記

          ・LINEって一気に同じ時間にみんな送ってくるから怖い。裏で手を組んで送ってるんじゃないかというくらい、特定の10分くらいの間に全てが送られてくる。通知が二桁になった時の恐怖ったらないね。 ・まあ普通に返すんですけど。 ・久しぶりに日記を書く。なんか色々書いてはいたけど、日記を書くことが億劫で書き留めていなかった。 ・創作話は書いたし、ヴィーガン実験も書いた。どちらも私は結構気に入ってるので読んでみてほしい。でも恥ずかしいので感想は言わないでほしい。 ・日記を書くのってや

          お久日記

          蜘蛛

          足の悪い犬が滑車をつけ、まるで蜘蛛のようだと思っていた。その時ふと、僕は君のことが好きだと気がついた。

          Kの葬式(東京にて)

           その夕、僕は知り合いのKを訪ねるために東京行きの飛行機に乗った。北の地などという恐ろしく田舎で、店であったら素寒貧で閑古鳥の鳴くほど、原っぱであったら草のみが生い茂りいるのは熊と鹿と狐などの野生の仲間たち。むしろ人間などが住むべきではない場所に僕は暮らしているというのだから、東京などというどこまでも文明で、どこに行っても人工的に作られた押し売りの自然しか見ることのできない都心に行くことは一大イベントなのである。  季節は冬で、なぜこの忙しい時期に予期せず東京に飛び立つ羽目

          Kの葬式(東京にて)

          自由研究 ヴィーガン編

           あとがき  なぜヴィーガンになったのか。今考えてみるとよくわからない。よく考えてみてもわからないけど、最終的な原因はドキュメンタリー映画『スーパーサイズミー』にある気がする。1ヶ月三食マクドナルドを食べるとどうなるかというドキュメンタリーで、挑戦者は最終的に体が大きく変化する。 ※この一週間は、私一人で行ったものではなく、後輩一人(便宜上Aとする)に巻き込まれ(巻き込み)行った最悪の挑戦である。  Aとドキュメンタリー映画を見た数日後、私は大痩せを日頃心配されていたため

          自由研究 ヴィーガン編