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“とき”に向かって

3月に入ると、やはり気になるのは桜。
今年の桜は、いつ頃咲きだすのか……。
蕾を蓄えた枝をあちこちで見上げて歩く。

桜の枝はまだ寒々しく見えるけれど、開花の“とき”を控えたこの時期が、季節で一番充実した「木の“とき”」なのではないかと思えてくる。
咲き誇る華やかな季節を前に、桜の木は着々と黙々と“とき”に向かう。

たとえば、成果や結果に行き着く道の途中は、うまく進められなかったり、ダメなんじゃないかと思ったり。
それが、あとひと踏ん張り、とにかくやるしかない時期に入ると、成果や結果はどうあれ、自分の中に静かな充実が息づいてくるのを感じる。
振り返ると、いつも、そういう“とき”にいる自分が好きなのだ。
まあ、あとひと踏ん張りが苦手でもあるので、結果「惜しいな、自分」ということが多くても。

開花のときを心待ちにするのは人のほう、桜は気にしちゃいないだろう。
枝振りを覆う花も葉もなく、木の姿そのものを露わに、桜は静かな充実の“とき”の中で花開く“とき”に向かっている。
そんな3月の桜の姿に、華やぐ春への息づく歩みを映し見る。

≪🐠130305*P10📒240305≫

🐠魚の庭 🌐地上にて

  


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