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銀杏日和

都心の黄葉といえば、神宮外苑の銀杏並木が知られるところだが、私にとっては靖国さん。
春の桜の時期より断然、黄葉の時期がいい。

新しい葉が毎日降り積もる参道脇。
黄色で埋め尽くされた落葉の中に入るのは、深雪に足を踏み入れるときに似た楽しさがある。
好天の日の昼どきなどは、当たり一面が眩しくて、黄金色の光に包まれた贅沢な気分になってしまう。


神宮外苑より知られていないおかげで、あまり人がこぞってやって来ないのもいい。
ゆったり黄金色の世界に浸り、カメラを構える人たちも、それぞれが独自の世界に入ってファインダーを覗いているように見える。

そして、靖国神社に沿う靖国通りもまた、私にとっては、黄葉で輝く美しい名所。特に知られているわけではない歩道を人々が行く。
特別な季節を意識しない普通の光景が、やけに素晴らしく映る季節。



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