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世のなかの、美しいもの、醜いもの

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偏愛するテーマを取りあげながら、おもむくままに綴ったエッセイ。
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#女の子

プエラ・エテルナ(少女論4)

マリと森茉莉とアナイス・ニン。ここに私はシルヴィア・プラスも並べたい。ドラマティックな死…

アナイス・ニンのこと(少女論3)

周囲の讃嘆の眼差しを我物にしてきたモイラのような美少女を現実に知っている。奇しくも森茉莉…

モイラのこと(少女論2)

アナトール・フランスの『マリ』ついでに、もう一人のマリについても書く。 文豪・森鷗外に砂…

マリのこと(少女論1)

アナトール・フランスの『マリ』は、1886年にパリのアシェットという本屋から出版された『我々…

この世でもっとも美しく、残酷な本のこと(3)

とフランスの啓蒙思想家ルソーは書いている。 ここで近代思潮全体に影響を及ぼしたその教育論…

この世でもっとも美しく、残酷な本のこと(2)

マルグリット・オードゥー(Marguerite Audoux)というのがその本の作者の名前だと知ったのは…

この世でもっとも美しく、残酷な本のこと(1)

この世でもっとも美しい本を知っている。 夢さながらの美しい舞台で、詩のように意味深い言葉が綴られた、作者の深い愛憐が文章の隅々まであまねく行き渡っている、人間の善良さと正しさを信じていたくなる、そういう本を知っている。          〈少女〉は、(というのはこの本の主人公ことだけれど)あまり我慢強いとはいえない性格で、優等生というよりはお転婆で、思いこみが強く、つねになにかに困り果てていて、野を駆けたり、鳥と話したり、水に足を浸したりしては、やたらとため息をつく。どうして