AIの海外の論文を解説:Language Model-based Document Information Extraction
※この記事では、↑こちらのYouTube動画の脚本内容をそのまま文字起こししたものとなります。
こんにちは、皆さん。ようこそ「日本からのプロンプト / AIポッドキャスト」へ。今日は、グーグルの最新の研究に焦点を当てて、非構造化文書からの情報抽出技術について深く探る時間となっています。AIと最新の技術革新に興味がある方、特にプロンプトエンジニアリングの視点からの洞察を求めている方には特におすすめのエピソードです。それでは、さっそく本題に入っていきましょう。
内容の概要
最近、グーグルは、大規模言語モデルを活用して、非構造化文書(例えばレシートなど)から高精度にテキストを抽出するOCR、『LMDX』を発表しました。これは、Bardとグーグルドライブ等との連携をさらに強化する可能性のある技術です。従来のOCRでは、文脈を考慮したテキスト抽出が難しく、また様々なレイアウトに柔軟に対応することも課題とされてきました。しかし、今回グーグルの研究者らは、大規模言語モデルの強みを活かした新しいOCRフレームワーク『LMDX』を開発しました。この技術は、同社の大規模言語モデルであるBardの能力をさらに発揮することにも繋がる潜在価値があります。内容の詳細
『LMDX』のスキームを見てみると、このフレームワークは以下のいくつかのステップから成り立っています。
① OCRステップ:画像やPDFから光学的に文字情報を検出
② チャンキングステップ:文字情報を単語や文章に区切る
③ プロンプトジェネレーションステップ:単語や文章をもとに大規模言語モデルに入力するプロンプトを作成
④ 大規模言語モデル推論ステップ:大規模言語モデルから文章上の重要な要素(エンティティ)が返ってくる
⑤ デコードステップ:エンティティをもとに再度情報を抽出する実験結果
『LMDX』の性能をみると、以下の点が特に注目されます。
① ゼロショット(訓練なし)でも高精度な抽出を行った
② データ効率が非常に高かった
③ 未見のレイアウトに対しても性能低下が5%以下考察
『LMDX』の潜在価値について考えると、以下のポイントが挙げられます。
① Gmailやグーグルドライブに保存されている非構造化データをBardから参照できるようになる可能性がある
② Bardのマルチモーダル機能(画像認識など)の能力が向上する
大規模言語モデルの個人利用だけでなく、企業利用も促進する可能性のある、実用的な技術と言えます。
このアカウントでは、AIやLLMなどの海外の論文を投稿しています。またあなたに聞いてもらえると嬉しいな。じゃあまたね。
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