コロナと立秋

今朝は3時間ほど川岸を散歩してきた

秋に入り、そよそよと吹く風を浴びて心が浄化されていくような気がした

思わず付けていたマスクを外し僕は大声で叫んでいた


「コロナああああああ!??なんやこらあああああ!!いつでもかかってこんかいゴルゥァアアアアア!!!やったんぞゴルゥアアアアアアア!!!!」

遠くでおばあさんが目をクリクリとさせてこっちを見ていた

ハッとした

通報されまいかと思いその場から立ち去ろうかと思った

しかし僕の体は衝動的にお婆さん目掛けて駆け寄っていったのだ

眼前に立つ老婆
若干怯えているようにも見えた

そんなお婆さんに僕は声を掛けたくなった

「こうやって叫んでる間だけでも、コロナのこととか日頃の色んな鬱憤が消えてくような気がするんです。」
「僕、前みたいに人間らしい暮らしがしたいだけなんです。」

そう言うと老婆は
「あんたの気持ちも分かるけど、大きい声で怒鳴ってたらあんたそらこっちもビックリするで、おかしな人やと思われるで気ぃつけや。落ち着いたら喉乾かんか?お茶やろか?」

僕らはすぐそばのブランコしかない小さな公園のベンチでふたり、ティータイムを楽しんだ

終わり

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