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10年データを使った最高値更新の分析

今回は、S&P500の10年データを使い10年間における最高値更新について分析しました。

前回はこちらで暴落の歴史を分析しています。

前回の10年間最高値を更新してからの営業日日数をグラフにすると以下のようになります。

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100営業日程度更新がなかった期間が7回あります。まあまあありますね。営業日計算なので、実際は半年弱の期間となります。2015,6年にかけた最長の無更新期間は286日間に及びます。日付でいうと2015年04月27日から2016年07月08日までの期間です。約一年間最高値の更新がなく、てっぺんでETFを買った場合などは1年間の塩漬けとなった、ということとなります。

反対に、2013,2014年そしてコロナ発生後などは非常に株価が好調でほぼ一ヶ月以内で最高値を更新しています。

基本的に米国株は10年間上り調子なので、上昇原因を見るよりも下落時の分析を行い、下落の予兆を掴む、という方向で損失を回避する、ということを目的としたいと思います。

モーニングスターによれば下図のような原因で2015年は後半にかけ株価が低迷したようです。このまま2016も最高値を更新しない日々が続きます。

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出所:モーニングスター

続く2016年は以下です。

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年初に大きな落ち込み見せ、これが長く米国株式の低迷の原因となっているわけですが、日経新聞は「中国市場や原油先物相場の不安定さが市場心理を冷やし、米株式には売りが膨らんだ」とこれを説明しています。1月に底をつけ、株価は2月、BREXITに大きく下げているものの、基本的には階段状に上へと向かって行きトランプ勝利の時期から急激に上昇しています。これは2017年、年間を通した上昇基調につながっていきます。

参考:日経新聞

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最初のグラフの再掲になりますが2018年からは長く渋い期間が続きます。原因は米中対立や金利の上昇です。ただし、どちらの要因も一服し始めると米国の経済の好調などを理由に株価がすぐに戻す、と行った動きをしています。

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前回ノートでもあげたグラフを再掲します。このように見ると、やはり米国株は様々な要因により長い無更新期間がある時期もありますが、長い目で見ると綺麗な右肩上がりとなります。

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ただし、その前提には今回の分析の中で見てきた通り、堅調な米国経済の成長があります。米国経済は下図のように強く堅調な成長を示してきました。しかし、そのトップラインは明らかに下向きであり、注意が必要ではないかと思います。

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出所:世界経済のネタ帳

IMFによれば下表の通りの経済成長が予想されています。

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この表によればアメリカ経済の成長率は世界平均に劣後するようです。この表の中では2020をプラスで過ごし、さらに2021もリバウンドのために大きな経済成長率が予測されるインドに非常に近い表中で第二位の成長率が予測されています。

新興国や中国投資は、マーケットが未熟であったり、日本語、英語での情報収集に難がある、という欠点はありますが、アメリカ経済の減速感も考えると今後もっと目を向けていかなくてはならないのではないかと思っています。

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