金利が与える株価への影響の考察と今後の株価を考える材料の整理、そしてまとめ

はじめに

自身の勉強のため、現況の整理をnoteに行いました。我流で学んでいるものなので、誤り等あるかもしれませんがご了承ください。また間違いを見つけられた際は、コメントいただけるとありがたいです。

なお、ここでの目的は、正確な分析や予測よりも、現状を簡易にわかりやすい指標を元に、ロジックをもって分析し、今後の予測材料とすることとしています。

直近のニュース1:パウエルの金利対応(3/4)は期待値以下

パウエル議長は金利への関心を示したものの、市場の期待値以下であり金利は上昇。

・ナスダック100種はこの日、1.7%下落
・米国債市場で10年債利回りは1.55%を超えた

4日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言は基本的に、上向きつつある経済の一段の回復に取り組む意向の再表明にとどまった。これを受け、ナスダック100種はこの日、1.7%下落した。・・・パウエル議長は4日、長期金利急上昇への動揺を示唆する発言はほとんどせず、それによる株式への影響に関する懸念も示さなかった。議長の発言内容が伝わると、米国債市場で10年債利回りは1.55%を超えた。

直近のニュース2:アメリカ 10年 債券利回りは2020/2の水準

パウエルの発言(3/4)を受けてアメリカ 10年 債券利回りは2020/2の水準にまで上昇。現在の利回りは1.550。(2月の最低値は1.1程度)

なお、2020/2の最低値は1.1程度であり、また、ここ5年での最高値は2018/10の3.15であり、最低値は2020/7の0.53である。

現在の1.550は、ちょうど最高値と最低値の真ん中あたりであり、依然として高い水準とは言えない状況にあるかと思う。

現状の整理

年初来の株高とここ数週間の大幅な下落はナスダックで起きているが、今後の株価を予測するため現状を整理したい。ここでは、NDX(ナスダック指数100)を対象とし、株価下落の要因とされている金利をもとに考察する。

まず現状の株高の要因を整理する。

NDXは2020/02以降に急激に上昇しており、主な理由はコロナによって生まれた以下の3つであると思う。

①DXの加速
②金利下落(中央銀行による資金供給の効果を含む)
③バブル

②について、現在の金利は2020/02とほぼ同水準にある。よって現在のNDXの高水準を正当化するのは①DXの加速のみであると思う(③バブルは株価の正当化ではないとする考え)。

ここで比較のために、①、②、③の要因がなかった場合を考える。NDXはコロナ前では下図のように直線的な上昇を示しており、この線を現在まで延長すると約10,000となる。この値、10,000が①、②、③の要因がなかった場合のNDXの適正値とし、ここでは非コロナ水準と呼ぶこととする。

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現状を表で整理すると以下となる。現在と利回りがおなじ 20/2/1と金利警戒が薄かった21/2/1、そして直近でNDXが最高値となった21/2/18を比較の日付としている。

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トウシドリ調べ(多少誤差はあります)

ここで、2つのことがわかる。

①2/1-2/18の間に0.15という十分な金利上昇があったにも関わらずNDXは上昇している。
②3/5時点では、直近最高値となった2/18から10%程度下落しているものの、未だ非コロナ水準よりも25%程度高い水準にある。

この2点について分析をしていく。

仮説1:金利と株価の逆相関は強くない

①2/1-2/18の間に0.15という十分な金利上昇があったにも関わらずNDXは上昇している。

これは前章の分析結果である。他要因により株価が上昇し、金利上昇により株価上昇速度は押さえられている、などの理解も可能ではあるが、その可能性は低いと考える。何故ならば、下図のように金利上昇を無視して1、2月は株価が上昇しているし、2018年ほどまで過去を遡って見ても、株価と金利の強い相関性は見られない。


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出所:Investing.com

そもそも、金利があがるのは基本的に好景気の時であり、好景気であれば投資も進み、株価にはプラスであるはずである。将来価値の割引などの論理により、株価の下方方向への圧力は確かに存在するものの、同時に逆方向に寄与する要素の存在により、株価は必ずしも下落はしない。

なお、金利上昇の影響はグロースのほうがpv=c/(r-g)の式により、より大きいとされる。

チップス:金利とバリュエーション


仮説2:依然として若干のバブル状態にある

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