ばばあの繰り言 50 ピアス無理矢理 その③で終わり

 捨てましょう、とは、一度思ったのです。

 でも、また、失敗はやだな。だって今失敗したところと同じところにピアスの穴を開けたいわけでしょ。ずっと失敗し続けるかもしれない。

 今回購入した打ち損ねた使用済みピアッサーはもう使えない。
 で、も、ピアスはある。

 そして、よく見るとピアスの耳に通す棒の先端は尖っている。

 ピアッサーを使って刺す、ワケだから、ここ尖ってなきゃおかしいよね。うんうん。ここは、刺すために尖っております、と。

 尖っているなら、コレで開けられるというこのかな。

 針やピンで開ける人もいるよね。

 このピアスで直に耳たぶにピアス穴を開けることは可能なんじゃないでしょうか。

 ピアスにオキシドールバンバンかけて、ばばあもう一度洗面台の鏡の前に立つ。

 ピアス単体の方が、ピアッサーよりはるかに場所がわかりやすい。
 ここね。
 そう、多分この場合でいいような気がする。
 気のせいではありませんように。(祈り)
 あとは、痛かったら、諦めよう。

 えい。

 と、ブッ刺してみました。

 大丈夫。

 そんなに痛くないわん。

 ただ、そんなに痛くない痛みでも、そこそこ刺す時間続くとやっぱりやな感じ。

 うー、とか、思いつつ、もうちょい、もうちょいで貫通するから、頑張りましょう、とか思う。

 グイグイ、ぐじぐじ刺していく。

 そんな時、なかなか、お風呂から戻らないばばあを、また、湯船で寝たか、と心配したツレアイが様子を見に来て、ドアを開けた。

 うわー、怖いことやってる。

 ばばあが鏡の前で、両手を耳たぶ当たりで動かしていたら、なにかを察して、ツレアイはぴゅーって逃げて行きました。

 もう。
 人がやや苦しんでいるのに、前線から退却しやがったなあ。


 まあ、とはいえ、こうなってしまっては、どうお手伝いを頼むわけにもいかないのですが。


 うー、と諦めず刺し続け、ちょっとどこまで進んでいるのかわからなかったのですが、不意に、多分あと皮一枚、と、なんとなくわかるものですね。
 裏側の皮の手前に到着しました。もうちょいです。
 つんつんと同じ調子でやっても刺さっていく深さが変わらない。
 皮、貫通に、それまでももう少し力が要るみたい。
 とりゃ。
 ぷつ。

 と、ピアス刺しました。

 1分かかったか、自分ではそれくらいの長くも短いピアスとか格闘でした。
 ちゃんと測っていなかったので、もしかすると、3分とか5分とかかかっていたかもしれないけれど。
 いや、さすがに5分はないかな。

 アドレナリンと貧乏根性が開けたピアスでございます。

 多分もうできない、気がする。

 そしてやっぱり自分で自分の耳を写せないので、画像なし子さん。

 娘が作ってくれたピアス、付けるんだ。

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