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別れから逆算して今の大切さを浮かび上がらせる名曲~畑中摩美「愛しい気持ち」レビュー~

人生に永遠はない。
頭では分かっていても、若い頃には全くと言っていいほど実感がなかった。
もしかしたら、人生は永遠に続くのではないか。そんな錯覚すらあった。

しかし、近頃は、人生の時間が有限だと思い知らされる出来事が続いている。
近しい同僚が定年退職や転職で別れることになったり。父が病気になったり。子どもの頃からテレビで観ていた芸能人がどんどんいなくなっていったり。
気が付けば自分もアラフィフだ。

どんどん残り少なくなっていく人生の時間の中で、今、周りにいる人たちと過ごす時間がいかに大切か。

そう思い始めてから、ある曲の存在が私の中で大きくなり続けている。
畑中摩美の「愛しい気持ち」だ。

畑中摩美「愛しい気持ち」

彼女は、この曲をライブでもよく歌っている。一時期は、彼女自身のテーマソングと言えるほど、ライブのラストを飾っていたものだ。
現在ではライブの最初で歌ったりもする。

ギター弾き語りYouTubeライブ「愛しい気持ち」(4:57頃~)

1コーラスの中でも人生の真理を描くネガティブな前半のメロディーと、後半のサビで描かれる、希望と愛を感じられるポジティブなメロディーが対照的だ。

そんなメロディーと詞を琴線に触れる歌唱と切ないギターで、愛しい気持ちに満ち溢れた美しき世界を作り上げていく。

どんなに愛して愛されても 永遠なんてここにはない
別れのときは必ず訪れる いつかは
受け入れることしか できないのなら
愛しい気持ちを 今すぐここで伝えよう
愛しい人には 愛してると伝えなきゃ

畑中摩美「愛しい気持ち」

人生の残酷なところは、絶対に別れから逃れられない、という現実だ。

祖父母や両親、兄弟、ペット、配偶者、子ども、孫、友人、同僚とも、いつかは必ず別れなければならない。

どんなに徳を積んでも、大金を稼いでも、幸福な家庭を築いても、信頼し合える人間関係を築いても、別れを阻止できない。

そして、最期にはすべてをこの世に置いたまま、別れを告げて、世を去らなければならないのだ。

絶対に思い通りにならない結末があるからこそ、「愛しい気持ち」は、そこから逆算して今の大切さを歌い上げる。

限りある時間を私たちはどう生きるか。
「愛しい気持ち」は、その究極を追求しようとした、人生逆算の名曲である。

あとがき

4/19(金)20:00から、畑中摩美さんが初の全曲オリジナル曲YouTubeライブを開催します。
中島みゆきさんや松任谷由実さん級に名曲が多い畑中摩美さんのオリジナル曲ライブをぜひ堪能してほしい。
きっと心に響く曲が見つかるはず!

畑中摩美 YouTubeチャンネル


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