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世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。

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クラシックを中心に、ちいさくて素敵な曲を少しずつ紹介します。
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#秋

世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.9 秋の透明な孤独。

ひとりでいることがけっこう好きです。 なんていうのかな、ひとりで本読んだり、音楽を聞いたりするときって、いい時間だと思うのね。 その孤独感は、さみしい!かまって!みたいな気持ちとはちょっと違って、なんだかこう、あたたかい孤独感。世界が満ちてくるような孤独感。 あーぜんぜんうまく言えない…。たぶん、わかる人いてくれると思うんだけど、どうかな。 というか、みんなひとりの時間って好きなんじゃないかな。 何をしてその時間を過ごすかは、ひとそれぞれだと思うけど。 * 秋になると

世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.6 秋の息づかいは木管五重奏

空を見上げたら、うろこぐも。 日射しも少しずつ穏やかになってる。 道ばたの樹の向こうに夕日が透けて、風がやさしく通りすぎていく。 秋の息づかいだ。 ちょっとつらいことが続いていたから、その息づかいがなんだかあたたかく感じて、ふと木管楽器の柔らかな音色につつまれたい気持ちになった。 フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン。 この五つの楽器が集まると、《木管五重奏》になる。うん、聴きたい。 なんかないかな、木管五重奏の曲。探そう。 あれこれと探していると、

世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.5 小麦のダンス

わたしは、麦畑を見たことがない。見てみたい。きっと、こがね色に実ってさわさわ揺れているんだろうなあと思う。どこかの秋空の下で、どこまでも広がって。 《世界への前奏曲のような、小さな音楽たち》シリーズでは、クラシックを中心に短めの音楽を紹介しています。どんな世界にこの曲は捧げられたんだろうと思いを馳せて、一緒に聴いてもらえたらなと思っています。 今回は、オーケストラの曲。 アルゼンチンの作曲家、ヒナステラさんの Danza del Trigo、日本語にすると「小麦のダンス」