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キングスコール 1戦目(2歳新馬) 観戦記


タイトルバナーの写真

 今回は現地応援ができなかったため、自分で撮影した出資馬の写真はありません。タイトルバナーの写真は、びすた@vista_keiba513さんが撮影したものを許可を得て使用しています。改めてびすたさんに感謝します!

 そんなことないですよ!!素敵な写真です!!

過去のノート

はじめに

 一口馬主として2年目に入りました!2024年7月21日、2年目出資馬たちの先陣を切って札幌開催の新馬戦に出走したのは、ドゥラメンテのラストクロップの1頭キングスコール。母父に欧州の怪物フランケルを迎え、日高の小さな牧場出身ながら、矢作調教師に見初められてバヌーシーが競り落とした期待馬です。

 これまで、ウィープディライトドリームクルーズという2頭の馬に出資し、出走するレースをすべて現地で応援してきましたが、今回の舞台は夏まっ盛りの北海道ということで、経済的・時間的に現地に行くことが叶わず、地元のウインズ浦和で応援馬券を買いつつレースを見てきました。

 札幌の開幕2日目の新馬1800mは、昨年だと桜花賞馬ステレンボッシュを輩出したレース。今年も頭数こそ少ないものの評判馬が集まりました。最終的なキングスコールのオッズは、陣営が事前に慎重なコメントを出していたこと、太め残りで仕上げきっていなかったことなどから、2番人気ながら5.7倍と離された評価。出資者たちがこぞって応援馬券を買う、いわゆる「バヌオッズ」がなければ3番人気、4番人気だったかもしれません。

 出資馬を現地で応援しないのは初めてだからか、レース前は特に緊張することもなく割とフラットな気持ちでいたので、正直なところ「まあこんなもんでしょー」と過度な期待をせずにいました。

 それがまさか、あんな衝撃の結末が待っていようとは。

netkeibaより

 キングスコール、デビュー戦で3馬身差圧勝!!しかも、ソダシが持っていた札幌1800の2歳レコードを0.4更新!!!!レースぶりはまだ余裕があり、それほど全力で走っているようには見えなかっただけに、レコードと知ったときは鳥肌が立ちました。

レース回顧

ラップグラフ

集計:2歳新馬(1回札幌2日目芝1800良)の直近10戦+今回

 これは、過去の「1回札幌2日目の芝1800m・良」で開催された2歳新馬戦のレースを、10戦分集計してグラフにしたものです。黒がその10戦の平均、黄色が今回のレースのラップを示しています。

 こうしてグラフでラップを見ると、新馬戦離れした非常にタフな展開だったことがわかります。まず1000m通過タイムですが、1:01.5というのはそれ自体は速くないとはいえ、新馬戦ではあまり見ない水準。実際、黒の過去10戦平均1:04.8と比べても3秒以上速いです。

 そして恐ろしいのがラスト4Fのラップ。ちょうど1000m通過の直前あたりで、後方にいたルージュミレネール横山武史が果敢にまくってきたことで、ラスト4Fは 11.5 - 11.7 - 11.6 - 11.5 と11秒台が連発するハイスピード持続力バトルとなりました。

 このラップを刻んだのが、番手から早め先頭に抜け出たキングスコール。ラスト4F目にライバルに並ばれてからは、貫禄すら感じる圧巻のスタミナで、追撃を一切許さない加速ラップを踏んで突き放しました。レースぶりに余裕があったというのは、見た目の印象だけでなく数値にも表れています。このパフォーマンスを、太め残りの若馬が新馬戦で苦もなく披露したわけですから、ちょっとここでは規格外でした。

 レコードはおまけですが、開幕週で時計の出やすい馬場だったとはいえ、後にマイルG1を3勝するソダシを0.4も上回るというのは、末恐ろしいとしか言いようがありません。間違いなくクラシックを意識できる逸材です。どうか怪我だけはないように、これからの競走馬人生を歩んでほしいです。

パドック

 ウインズ浦和は、グリーンチャンネルの1つを垂れ流しているようで、札幌のパドックでキングスコールの周回が始まっているであろう時間になっても、他の映像を映していました。

 なので、ツイッターXで現地組が上げてくれる写真や動画でキングスコールの様子を確認。どうやらわりと大人しく歩いているようで一安心しました。そこでふと、同じ父ドゥラメンテのウィープディライトの新馬戦のときは、そういえば2本脚で立ち上がっていたなあ、なんて気軽にツイートしました。

 直後、「キングスコールがパドックで放馬」というハプニングがTLに流れてきて、やっべ余計なこと言ったわーと反省。

ししとう (、・ω・)、バヌーシ@sisitouPさんのポストより)

 それにしても、ウィープディライトですら立ち上がるところまでで静止したのに、キングスコールは制御が効かず走っていくとは・・・。ただ、バヌーシーの情報局では、事前に「調教に行くまでは暴れて大変だが、調教では非常に大人しくて乗りやすい」と言われていたので、ああコレかと納得しました。

序盤

 キングスコールの注目はまずスタート。「ゲートの出もめちゃくちゃ速い」と厩舎スタッフから言われていたため、そのロケットスタートをぜひ見たいと思っていました。しかし、期待していると反対の目が出るのが競馬。出遅れるかもしれない、とドキドキしていました。

 キングスコールは奇数番ということもあり、1番最初にゲートに収まります。左右を見渡して不思議そうな様子。ほんとに大丈夫か?でもまあ落ち着きはあるよな。そんなことを考えているうちに、大外の馬が最後にゲートに収まりました。

 開いた!

 グッと頭ひとつ速く飛び出し、前脚で力強く芝をかき込んで前に行くキングスコール。いつぞやかのモズメイメイほどではないけど、確かに速い!

 そのまま1馬身差をつけて先頭に立とうとします。あ、それはちょっと待って待って。自分は新馬戦はまず教育と思っていて、結果は重視していません。レース前のツイート。

 なので、逃げるとあまり教育にならないので、できれば控えてほしい。手綱を絞るか、そのまま行かせるか。藤岡兄騎手の判断を注視します。どうもキングスコールの気分のままに走らせる雰囲気。そうしていると、2番ショウナンサムデイ池添ジョッキーの手が動き、内からキングスコールを交わしました。

 ここが序盤のポイントです。抜かされてカッとなるようだと、気性の激しさがレースでは悪い方に出ることになります。しかし、キングスコールは、パドックであんなに暴れていたのに、本番ではライバルに抜かされても特に反応することなく、淡々と自分のリズムを刻みます。うーんなにこの大物感!!

中盤

 隊列が決まりました。キングスコールは逃げ馬を横目で見ながら、半馬身後ろを番手で追走します。最善は馬群の中に入れてほしかったですが、さすがに少頭数で速いスタートだとそこまでは叶わず。それでも逃げずに済んだことで、新馬戦の意義は果たされました。あとは仕掛けどころでちゃんと脚を使えるかどうか。

 そろそろレース開始から1分を経過しようとするところ、最後方に待機していた4番ルージュミレネール横山武史が一気にまくり上げ、併せて8番テリオスララ鮫島克駿もキングスコールの横に並んで来ました。1000m通過タイムは1:01.5。ええ?新馬戦にしては速いぞ?

 まくりは、それを仕掛ける馬が大きくスタミナを消費するのはもちろん、仕掛けられる側に対してはスタミナ消耗を強要する戦法です。どの馬も最後の直線で末脚を引き出すために、道中はうまく脚を溜めたいのですが、外からまくられると急にペースアップしてそれができなくなります。残り800m、いきなりレースが佳境を迎えました。

終盤

 すでにラップグラフで確認したように、ラスト4Fは11秒台が続く灼熱の戦いとなりました。逃げた2番ショウナンサムデイがまくりに呑まれて後退。後方から進出してきた4番ルージュミレネールが、外から頭を突き出します。しかし、すぐ内の8番テリオスララは頑強に抵抗。この2頭がキングスコールを交わすべく馬体を併せて来ました。

 さて我らがキングスコールはというと、2頭にクビ差ほど抜かれた直後、馬の雰囲気が変わり、グンッグンッと力強い踏み込みであっさりと先頭を奪い返しました。急襲してきた素質馬2頭を従え、そのまま4コーナーへと突入します。

 直線入口の手前、もう一度アタックを試みる4番ルージュミレネールと8番テリオスララ。ジョッキーらは、ステッキを振り上げて彼女たちを鼓舞します。対照的に、依然として持ったままのキングスコール。直線に向いてからはキングスコールの独壇場でした。短い直線を一完歩一完歩、後続との差を引き離し続け、ノーステッキのままゴール板を駆け抜けました。

 調教では太め残しの仕上げ、レースではきちんと教育できた上での勝利、これ以上の新馬戦はないな、ヨシ!と静かにガッツポーズしました。この時点では、「走りに余裕がありながら勝って凄いなあ」とは思いましたが、走破タイムをまったく気にしていなかったので、レコード決着とは知りませんでした。

 ツイッターXを開くと、ソダシ超えのレコードらしいということで、「は?」といまいち状況を飲み込めないながら、勝手に手が震え始めました。見た感じまだまだ奥がありそうなのに、未完成の現時点でレコード????は???え???どゆこと?????

 現地から上げられた「R」の赤いランプが光る写真を見て、背筋がゾッとするような興奮を覚えました。うそだろ???とんでもない馬に出会ってしまった。

感想

 まずは、キングスコールがまだ育成中のツイートを3つほど。

 漠然とした王者の風格は募集時からすでに漂わせていましたが、実際にターフに降臨したキングスコールは、その名が示す「王」にふさわしい実力を備えていました。たった1戦だけですが、すでに重賞級の力は示しましたし、順調に行けばG1まで手が届くと思えました。

 出資者の欲目としては、「アレ」のさらにさらにその先まで夢を見たくなるほどのパフォーマンスでしたが、強いライバルもたくさん出てきてますし、妄想はいったんここまでで止めておくことにします。

おわりに

 出資馬の「新馬勝ち」と「レコード勝ち」の実績も同時に解除したということで、それも嬉しい気持ちはありますが、なによりも怪物候補が手元にいることの方に興奮しています。

 これほどの馬ですから、まずは何よりも怪我なく、そして病気もなく、元気に日々を過ごしてくれることを祈ります。

 改めて、出資者の皆様も本当におめでとうございます!来年の府中で、一緒にその名を叫びたいですね!!

 キ ン グ !! キ ン グ !!
 キ ン グ !! キ ン グ !!

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注意事項

 タイトルバナーの写真は、自分が撮影したものではなく、撮影者のびすた@vista_keiba513さんの許可で使用しているものです。そのため、個人利用の保存を含め、転載、複製、譲渡、二次利用、商用利用等のすべてを禁止とします。

 このノートを楽しんでいただけましたら、ぜひ「スキ」を押していってください。次回のモチベーションになります!

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