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出資馬紹介⑥アストラン(ミスラゴ22)


はじめに

 遅くなりました!バヌーシーの22年産、最後に残っていた出資馬アストランの紹介になります!

 アストランは高額馬の多いバヌーシーのラインナップにあって、総額1400万円(一口7000円)と手頃な値段で募集されました。あまり活躍馬が出ていない地味な血統ですが、唯一結果を出しているといっていい競走馬が、バヌーシー所属の半兄バックスクリーンということで、弟のアストランも人気を集め、見事に満口となった1頭です。

 今回は、そんなアストランの出資理由や魅力を書いていきます!

価格の安さ

 もう一度繰り返しますが、まずは何といっても募集価格が安かったのが良かったです!バヌーシーはセレクトセールで仕入れた馬を募集することが多く、高額馬が何頭もラインナップされます。

 その中にあって、総額1400万円(一口7000円)というアストランの価格は、この年の最安値でした。これくらいなら、仮に競走馬として結果を残せなくても、金銭的なダメージが少ないです。出資理由としてはあまり前向きではないですが、お金はやはり大事ですので、安いに越したことはありません!

 1勝+αでほぼ元が取れるのは大きい魅力でした!!!

配合の妙

 母ミスラゴはアイルランド生まれの競走馬で、現役時代は3000m級の長距離重賞で何度も2着に入ったステイヤーです。牝馬ながらに豊富なスタミナを持っているようですが、反面、日本競馬に必要な素軽さが足りないのか、中央で2勝以上を挙げている産駒はバックスクリーン1頭だけです。そのバックスクリーンも、ダート2100mというちょっと特殊な条件を2勝ですから、何とか芝向きのスピードを注入するのが、この母の課題でした。

 そこで迎えたアストランの父は、芝マイルG1で2勝、芝短距離G1で2着を2回と、スプリント適性の高いマイラー・ミッキーアイルです。ミッキーアイルは、ナムラクレアメイケイエールといった短距離の重賞馬を輩出しているように、産駒に高いスピード能力を伝える種牡馬であり、スタミナに寄りすぎた母に代わって、父からスピードを注入するのが狙いの配合です。

 両親の長所がうまく噛み合えば、アストランは素軽いスピードと豊富なスタミナを備えた競走馬となるはずです!

 ただし、ミッキーアイル産駒は牡馬だとダートに活躍馬が多く出るので、あまり芝馬を期待していると、肩透かしを食うかもしれません。

新進気鋭の牧場さん

 アストランの生産は中尾由香さん(現:YMホースレーシング)という方で、近年、競走馬の生産を始めたばかりの新しい牧場さんです。元々は東京のご出身とのことですが、馬の魅力に取り憑かれ、みずから生産牧場を拓いた行動力のある方です。

 アストランと同期となる、2022年にこの牧場で生まれた競走馬は8頭。その内、中央に登録された馬はアストランを含めて2頭です。その1頭がワナダンスの仔ということで、ここにもバヌーシーとの縁があるのは面白いものです。なお、ワナダンス22ことアルデココは、この6月にデビューして2回走りましたが、残念ながら両方とも大差負けを喫しています。巻き返しを期待します!

 生き物を扱う仕事ですので思うように行かないのが常ではありますが、こうした気概のある牧場さんに、ひとつでも良い報告をすべく、アストランには頑張ってもらいましょう!まずは、生産牧場さんの中央初勝利を届けてほしいです!!

立派な骨格

 アストランの募集時、馬体重は426キロしかありませんでした。同じ価格のペルティナクス(エスジーアンクル22)が452キロでしたから、牡馬にしては小柄のため募集当初はあまり人気がありませんでした。しかし、実はこのときからフレームはしっかりしていました。

 この2頭、募集時のサイズがまったく一緒で、体重だけが異なっていたんです。結局、2024/7/31の今となっては、馬体重は484キロまで増えました。

 これだけあれば、短距離やダートを走ることになっても、体格負けすることはないはずです。

 しかも、アストランがえらいのは、稽古を積みながらも全然食欲が落ちないところにあります。このあたり、母のスタミナが良い方向に作用しているような気がします。

斎藤誠調教師

 斎藤誠調教師は、2023年の調教師リーディングで11位となったトップトレーナーのひとりです。美浦だと木村・国枝・堀に次ぐ順位ですから、1400万の馬を預けていいの!?というレベルの厩舎さんです。

 かつてはオークス馬ヌーヴォレコルトを管理し、直近ではアサカラキングが阪急杯2着と、重賞でも走る馬を多数送り出しています。一方で、ノーザンや社台の生産馬に傾注せず、いろいろな牧場の生産馬を結果に結びつけていることから、アストランのように格安・新規牧場という雑草のようなバックボーンのある馬にはピッタリの調教師さんだと思います!

 斎藤先生、アストランをよろしくお願いします!!

 なお、個人的に現地応援しやすい関東所属ということでさらにポイントアップです。

展望

 育成段階のアストランはとても優等生で、早い時期に本州に移動してゲート試験もクリアしました。ついでに早期デビューも期待したのですが、まだ師の求める水準まで体ができていないということで、現在はさらに体力をつけるべく外厩で乗り込みの日々を続けています。

 デビューにはもう少し時間がかかりそうですが、あまり心配はしていません。乗り込みを続けながら、この暑さに負けることなくちゃんとご飯を食べているという報告もあり、とても内臓の強い仔なんだなと感心しています。

 アストランには、正直、重賞とかそういう華やかな舞台は、特に期待していません(出られるならもちろん出てほしいです)。それよりも、まず1つ勝ち上がること。そして下級条件戦でいいので、コンスタントにレースに出て、競馬場で何度でもその姿を見せてくれることを望んでいます

 アストランという名前はとても素敵で気に入っていますが、実は自分が応募した名前も投票に残っていました。ここではその名前は出しませんが、ネーミングに込めた意味は、「人に応援される馬ではなく、その走りで人を応援できる馬になってほしい」というものでした。

 アストランという名前になった今でも、彼にはそういう馬になってほしいと願っています!!

(ᐡ`• ﻌ •´ᐡ)ヤッタレ!! アストラン!!


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