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ファイナルドリーム22 出資馬紹介


はじめに

 バヌーシーの22年産募集馬のなかで、一番最初に出資を決めたのがファイナルドリーム22です!

 サンデーサイレンスの血を持たない牝馬で、父はアメリカ産の新種牡馬ナダルということもあり、どのような競走馬に成長するのか予想がつかないところがありますが、随所に魅力を感じました。今回は、それらを解説しながら、ファイナルドリーム22を紹介していきます。

 「ファイナルドリーム22」だと少し言いづらいので、すでに定番の愛称となっている「クロチビちゃん」と呼ぶことにします。

柔らかい歩様

 クロチビちゃんを良さそうな馬と初めて思ったのが、2023年2月24日に撮影された歩様動画です。Youtubeにもアップされましたので、リンクを貼っておきます。

 この動画を見た時、クロチビちゃんの次の2点が気に入りました。

①球節から先がよくしなり、柔らかい繋ぎをしている
②体の上下左右のブレが少なく、重心が安定している

 つまり、柔らかい歩様をしていると思いました。柔らかい繋ぎは、バネを生かした芝向きの馬という想像ができますし、重心が安定した歩きは、推進力を前方に真っ直ぐ向ける走りが期待できます。

 父ナダルはアメリカのダートで活躍した馬ですので、この柔らかい歩様は欧州血統の母方から来ているのかな?と思っていました。しかし、Youtubeで見ることができたナダルは、馬体重670キロという超弩級の馬格でありながら、地面に吸い付くような滑らかな歩きをしていました。

 クロチビちゃんは、父似か母似かわかりませんが、どちらにしても芝で活躍すると思っています。

モデル体型

 クロチビちゃんは、巨大な父ナダルほどではありませんが、募集時から標準以上の馬格があり、垢抜けた雰囲気を持っていました。それでいて四肢がスラリと長く、人間でいえばモデルのような体型に成長しました。

 2023年6月26日に撮影された歩様動画です。さきほど紹介した2月の動画から、たった4か月で精悍な顔つきになり、競走馬らしい切れを感じる体つきに一変しました。まるで別馬のような成長です。

 ちなみに、ナダル産駒は各クラブで募集していたので、いろいろな仔の動画を見ました。総じて、父のようにムッチリと肉づきが良く、俵を思わせる丸っこいボディで、パワータイプという印象でした。なんとなくダートや短距離で活躍しそうです。

 その中にあって、クロチビちゃんのスマートさはわりと異質で、それがプラスなのかマイナスなのかはわかりませんが、芝や中距離で生きるスピードタイプなのではないかと期待しています。

強いメンタル

 競走馬が能力の限界まで走って、体力が尽きた最後の最後、それでも死力を振り絞って前に進めるかどうかは、その馬の精神的な資質がものを言います。

 人間は、競馬のことを純粋な走力の競い合いと思っていますが、馬はもともと群れで生活する動物です。そこには人間には見えない上下関係があります。もし、ギリギリの勝負をしているときに、隣で走っているライバルが、自分よりも(馬として)格上の存在と思っているとしたら、わずか1センチのハナ差を許してしまうかもしれません。

 気性難まで行くと困りますが、競走馬はやはり気が強いに越したことはありません。クロチビちゃんは、生まれ育った牧場では同世代のボスとなり、先頭を切って走っていたそうです。仲間内でボスとなったクロチビちゃんが、より高いステップに上がってもそのままボス性を発揮するかはわかりませんが、精悍な顔つきからは、競馬向きの強いメンタルを感じさせます。

お買い得価格

 そんなクロチビちゃんの価格は総額2400万円。一口12000円になります。「新種牡馬×未勝利の母」というあまりに未知数な配合にしては高価に映りましたが、実物は高額馬にも負けない馬っぷりで、非常にお買い得に思いました。

 この世代のバヌーシーの募集馬は、総額4800万円以上の馬が半数を超え、3000万円前後の中価格帯の選択肢が少なかったです。唯一といっていい中価格帯のクロチビちゃんのデキがいいのは、予算的には助かります。

 総額2400万円という金額は、維持費を抜きにすれば、ひとつ勝ち上がったあと、1勝クラスで入着を繰り返せば十分に回収できますし、2勝すればお釣りがきます。クロチビちゃんにはそれができると確信しています!

国枝調教師

 歩様と馬体を高く評価していて、早くから出資していましたが、いざ厩舎が発表されて驚きました。

 国枝調教師は、説明するまでもなく日本のトップトレーナーで、特に牝馬の調整に定評があります。代表馬はアーモンドアイやアパパネという牝馬三冠馬の2頭です。

 いやまさか、2400万円のクロチビちゃんが、そんな超名門厩舎に入れるとは思ってもおらず、しかも応援しやすい関東ということもあって小躍りしました。牝馬の国枝なら文句のいいようがございません。

 どういう経緯で国枝先生がクロチビちゃんを受け入れることになったかは知りませんが、これだけの人気トレーナーがコネやツテで簡単に預かってくれるは思えず、きっと先生もクロチビちゃんの素材の良さを認めてくれたんじゃないかな、と想像してニヤつきました。

配合ギミック

 先にも書いたように、父ナダルという新種牡馬と、母ファイナルドリームという未勝利馬の配合は未知の要素が多く、どういう競走馬になるかわかりません。それでも、血統表を見ていると面白いことに気がつきました。

ファイナルドリーム22の5代血統表

 netkeibaからクロチビちゃんの5代血統表を借りてきました。まずパッと見で思うことが、文字が赤い!血が濃い!ということです。5代目までに生じたクロスは、デインヒル、ダンジグ、ヒズマジェスティ、ノーザンダンサー、ミスタープロスペクター、ニジンスキーと紹介されています。

 クロスはインブリードとも言われ、対象となった祖先の特徴を受け継ぐという経験則があります。一方で、強すぎるクロスは近親交配と同義で、遺伝的多様性が失われるため体質が弱くなります。

 ここまで血統表が真っ赤だと、クロチビちゃんの体質が気になるところですが、テシオ理論という、いにしえのオカルトな血統分析手法に照らすと、デメリットが発現しうるのはヒズマジェスティのクロスだけで、ダンジグ・ミスプロ・ニジンスキー・ノーザンダンサーのクロスは全部デメリットが無効になるという、かなり興味深い配合ギミックが施されています。

 テシオ理論でOKだから絶対大丈夫とまでは思いませんが、もしクロチビちゃんが元気に競走馬生活を送れるようであれば、あながちテシオ理論もバカにできなそうです。

 ここでついでにテシオ理論の余談ですが、クロチビちゃんの月のサイクルは、4世代に渡り理想的な種付けタイミングでなされています。月のサイクルの詳しい説明はしませんが、とにかくなんか凄いんだ!(オカルト的に)というふうに思ってください。

※父がコントレイルに変わるファイナルドリーム24も同じように最高の月のサイクルを持って生まれてきます(出資確定)。

展望

 クロチビちゃんはどんな競走馬になるでしょうか。父ナダルと母父フランケルが、マイル前後で結果を残した競走馬だったことから、普通に考えればまずマイラーになることと思います。

 しかし、クロチビちゃんの血統を見ると、直系父祖にロベルトがいます。そしてアメリカ馬の中でも、特にスタミナに優れるシアトルスキーの血脈があり、凱旋門賞を連覇したリボーの直仔ヒズマジェスティ、長距離適性を高めるレインボークエストやニジンスキー、現代競馬でも中距離戦で強烈な主張をしてくるミルリーフと、これでもかとクラシックディスタンス向きの血が詰め込まれています

 柔らかい歩様と、スラリとしたモデル体型、奥行きのある血統構成を総合すると、個人的には芝のマイルから中距離がターゲットです。特に、桜花賞から1.5倍の距離延長となり、若い牝馬にとってはタフな戦いを強いられるオークスでこそ、その強靭なメンタルが生きると期待しています!!

 兄トラウムライゼの分まで頑張れクロチビちゃん!!

(ᐡ`• ﻌ •´ᐡ)イクゾ!!


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