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~棒犬のかなりお役に立てない話 01~ 私は、ただのオジさん

私は、ただのオジさん。
自分自身の“オジイサウンド”を追い求め、音楽というもの、作詞作曲というものに着手し始めたのは、半世紀近い人生の中で、ごく最近の出来事。

よく聞く話だけれども、私も「いつか音楽をやってみたい、いつか曲を作ってみたい、いつか、いつの日か……」と思いながらも、日々の生活に追われていました。
音楽らしきものとつながっていたくて、DAWソフト(デジタルで録音や編集ができる音楽ソフト)とオーディオ・インタフェース(マイクやギター、シンセなどの音をパソコンに取り込む機器)を見切り発車で購入してしまっていました。
そして、ただ眺めるだけで、そのうちに目にも入らなくなり、ホコリをかぶった飾りとなる…。
私は、そんな、よくあるオジさんでした。

きっと、私と同じような人は、少なくないと思うのです。

機器まで購入しておきながら、どうしてそこから先になかなか進めないのだろう?
自分自身を振り返り、理由はいくつもあるのですが、正直、私が一番感じたのは『恥ずかしさ』でした。
音楽ができないこと(歌えないこと、楽器が弾けないこと)であったり、作詞作曲の知識がないことであったり、DAWソフトの操作ができないことであったりと。
「音楽を始めるって、勇気が必要なんだな…」としみじみと思ってしまったし、少し恐怖すら感じていました。

なぜ私が、このような状態から抜け出すことができたのか。
私個人の解決策でしかありませんが、もし、同じ境遇にいる方がいれば、一つの案として参考にしてみてください。
それは、やはり『仲間をつくること』だと思います。
当然のことながら、気の合う仲間、分かり合える仲間は、すぐには見つからないでしょう。
オジさん連中の忖度の中でさえ、やはりぶつかり合い、誰かを傷つけ、自分も傷つくことがあります。

自分と同じレベルの方と組むもよし、自分より上のレベルの方と組むもよし、音楽サークルの一員になるのもいいでしょう。
今は、DAWのネットサークルなどもありますよね。
オジさんは、ベタに音楽レッスンに通いましたけれど(笑)。

私は、器用な面と不器用な面が極端にある人間なので、それなりに長いこと苦しみました。
しかし、宅録(自宅録音)ではありますが、このたび運よくレコーディングなんぞをすることができました。
本当にありがたいことです。

いろいろな方がいて、いろいろな意見がある。
ただ、仲間とちょっとずつ成長していくうちに、『恥ずかしさ』が減る。
そうすると、音楽の視野は広がり、大げさかもしれませんが、自分の音楽に対する可能性が広がるように思うのです。

もちろん、独りでもできちゃう天才肌の方もいらっしゃるでしょう。
そして、独りでやる方が性に合う方もいらっしゃるでしょう。
ただ、私はそうではなかった。
多分、独りでは前に進めなかったタイプだったのだと思います。

音楽は、音を楽しむことから始まって、音を苦しむ時期があって、また音を楽しめる時期に戻ってゆく。
いつの間にか、そう思うようになっていました。
そして、それを繰り返してゆくのだろうと。
その節目節目に、仲間がいた。

偉そうなことを言うつもりはありませんが、音楽を始めたくて一人で悩んでいる誰かに、ひと言でも届けばいいなと思って書きました。
そして、私自身の節目として、宅録レコーディングができたことを、これまで音楽を通じて関わってくださった方々、仲間に対しての感謝として書きました。

音楽を上達させることや作詞作曲することは、ある意味で孤独な作業ですが、解決策は『仲間をつくること』でした。
音を紡ぐことは、人を紡ぐことだったのです。

これから、どんな新しい仲間との出会いが待っているのだろうかと、楽しみでもあります。

棒犬 Vo. Takanori Inutake

棒犬|WEBサイト https://inusound.com/ 【2021年09月公開予定】

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