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(コラム)『仇討検校』発売と、新潮文庫トリビア

 さて、8/30に、『仇討検校』が新潮文庫から発売になりました。

 内容などに関してはこちらの記事をどうぞ。

 私の本が新潮文庫に所収されるのは、これで4冊目。『機巧のイヴ』シリーズ以外では初めてとなります。

 そこで、新潮文庫トリビア的なことを少し。まあ大した話ではありませんが。

 各出版社が出している文庫で、スピン(しおりとして使われる紐状のもの)が付いているのは、新潮文庫だけというのをご存じでしょうか。

 確かこれ、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』でも取り上げられていたネタなので、ご存じの方も多いと思うんですが、他にも、背表紙の色に関するトリビアがあります。

 書店の新潮文庫コーナーに行くと、各作家さんごとに背表紙の色が決まっているのがわかると思いますが、ところどころ、背表紙が白い本がまざっているのに気づくと思います。

 実はこれ、「背表紙に色が付くのは2冊目から」という決まりがあるらしいんですよね。

 私も、「背表紙の色どうしますか?」と当時の担当者に聞かれたのは、新潮文庫2冊目となる『機巧のイヴ 新世界覚醒篇』の時でした。

 提案されたのは、グリーン(私のペンネームに「緑」が入っているため)とブルーの2色でした。私としては、昔、新潮文庫で何十冊も読んだ筒井康隆さんや宮部みゆきさんなどの好きな作家さんの背表紙が赤だったので、赤もいいな~と内心思っていたんですが、当時の担当者の強いお勧めでブルーに落ち着きました。ちなみに集英社文庫の方は、上記の理由で背表紙は緑色になっています(笑)。

 ちなみに私の著書では、『機巧のイヴ』の2刷か3刷くらいまでが白背表紙で、2巻発売以降に刷られたものは、同じ青背表紙になっていたと思います。

 そういえば、デビューしたばかりの頃、ある書評家の方に「文庫の棚に目印のネームプレートが入ったら作家として一人前」と言われたことがあるんですが、今のところ、「乾緑郎」というプレートが書店の棚に挿さっているところを見たことがないので、自分、まだ半人前みたいっす。


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